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往復に1万円…練習場は仮設住宅の建設用地に輪島の少年サッカークラブの苦悩

能登半島地震は、能登の人々の生活を大きく変えました。そして、子供たちの習い事やクラブ活動を取り巻く環境も大きく変わっています。制限を受けながらも頑張る輪島のサッカー少年・少女の奮闘に迫りました。

先月26日。「宣誓!僕たち選手一同は今大会、全力で頑張ります。能登半島地震で大変な思いをされた方々に僕たちのプレーで少しでもエールと元気を届けられるように頑張ります。」小学生たちが夏の石川の頂点を決める県ジュニアサッカー大会が開幕。元日の地震で被災した能登地区の選手たちは、練習場所が失われるなどの困難を乗り越え、開幕の日を迎えました。

輪島市の航空学園のグラウンド。輪島市を拠点に活動する輪島サッカークラブジュニア。1年生から6年生のおよそ40人が所属しています。元日の地震以降、練習できない期間を経て、4月下旬に週1回のチーム練習を、航空学園のグラウンドで再開させました。

チームを引っ張るのはキャプテンの舩板優愛(ふないたゆちか)さん。サッカーが大好きで活発な女の子です。船板さんは、みんなと練習できるから楽しいと話します。
震災後、家族と共に加賀や金沢に二次避難をしていた優愛さん。大好きなサッカーができない時期が長く続きました。優愛さんの母、船板知佳子さんは、そんな娘のことを心配していました。

知佳子さん:
「顔もどんよりしていたので、動かなくなった娘の姿は今までに見たことがなかった姿でした。沈んじゃって、もうサッカーやらないのかなという雰囲気でした。」

それでも、大会に向けてチームが始動したことで優愛さんは元気を取り戻していきました。

実は、輪島ジュニアの本来の練習場所は、ここではありません。いつも練習していたマリンタウンは、現在仮設住宅に。練習場所が失われた輪島ジュニアは当面、航空学園のグラウンドを借りて練習をすることになったのです。慣れない環境ですが優愛さんたちはサッカーができることに喜びを感じています。
クラブの上田真也(うえだしんや)監督は、選手たちも嬉しそうだし、僕たちも嬉しいと話します。

上田監督:
「サッカーしているときはそれ(地震のこと)を忘れて楽しんでやってる感じなのでやってよかったのかな」

輪島ジュニアにとって震災後、初めての大会の日がやってきました。優愛さんは「楽しみです」と話しています。緊張はしていないそうです。

輪島ジュニアの初戦の相手は小松市の符津(ふつ)スポーツ少年団サッカー部。この大会でこれまで2度の優勝を誇る強豪です。試合は序盤から防戦一方。持ち味の粘り強い守備で何とかしのぎますが…コーナーキックから失点を許してしまいます。強豪の力を見せつけられた輪島は6-0で前半を折り返します。

それでも後半、諦めずにボールを追いかける輪島の選手たち。結果7-0敗れはしたものの、震災後初めての大会で自分たちのサッカーを十分に表現しました。

監督は良い試合だったと話し、「1対1でそんなに負けてないところとこっちのほうが守備が粘り強かったかなと。後半も1点で終わったので成長が見られたというかよかったです。選手が頑張ったなと。ちょっと感動しています、頑張りに。」

試合後は何も語らなかった優愛さん。しかし、この大会での悔しさが彼女を、そしてチームを大きく成長させます。

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