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女子生徒は転校を余儀なく…中学校での“いじめ”を第三者委が認定し学校側を批判「組織的対応の意識低い」
おととし野々市市の中学校で女子生徒が同級生とのトラブルで転校していた問題。市が設置し第三者委員会がいじめを認定する報告書を公開しました。報告書では、学校側の対応を厳しく批判し、反省を促す言葉が続いていました。
野々市市教育委員会が公開したのはおととし4月、市内の中学校で女子生徒が同級生から仲間はずれにされ、最終的に転校した問題について調査した報告書。
報告書では11の項目の内、8つの項目でいじめを認定しました。具体的には、修学旅行のグループ分けで、女子生徒にグループに入れない旨のメッセージを送ったこと。女子生徒をSNSでブロックし閲覧できないようにしたことなどをあげています。
その上で、調査委員会が強く批判したのは、中学校側の対応。
学校側はグループ決めで起きた問題を「些細なこと」と認識。聴取や指導などの対応をおよそ2カ月間怠っていました。さらに、担任教師は女子生徒に「同級生は女子生徒を嫌っている」と誤った発言をした事が転校につながったと指摘しました。
この問題について、教育委員会が夏休み期間中、学校に問い合わせしたところ、管理職は…「リフレッシュウィークに入っているため対応できない」などと答えたそうです。
学校には一連の対応について走り書き程度のメモしかなく、調査委員会は、学校側の組織的な対応を行う意識の低さが女子生徒に大きな心理的な負担を与える担任の発言につながったと批判。学校側の不適切な対応も女子生徒に苦痛を与える要因になったと厳しく反省を促しました。
野々市市 大久保邦彦教育長:
「誠に申し訳なく思っております。」
報告書を受け市は4日、臨時の校長・教頭会議を開催。
再発防止策として学校ごとにいじめ対策会議を年3回以上開催すること。いじめ防止条例を制定し未然防止のための体制を整えるなどをあげました。
しかし、同じ中学校では、2021年3月にもいじめが発生し女子生徒が自殺。調査委員会が再発防止に向けた提言を出したわずか2カ月後に今回の問題が発生していました。
野々市市 大久保邦彦教育長:
「なぜだろうなという気持ちは当然持っているんですけど、やはりいじめはいけないんだよということを、もっともっと児童生徒に教育していかなければならないし、学校内においてもいじめが起こり得ないような土壌を築いていかなければならないと思っています。」