石川テレビ



よこがわ
よしまさ
横川
善正
氏(70歳)
公立小松大学理事・副学長
金沢美術工芸大学名誉教授

<受賞理由>
受賞者は長年、金沢美術工芸大学で教鞭をとる中でアートと医療をつなぐ独創的な「ホスピタリティ・アート」の研究を続け、国内外のケア施設において様々な活動を展開している。特に30年間の係わりを持つイタリアの地方都市トレヴィーゾにある在宅訪問看護組織「アドヴァル」の先駆的な活動とそのホスピス建設、運営の過程を調査して得た体験を『誰も知らないイタリアの小さなホスピス』(2005年 岩波書店)、『ホスピスからの贈り物』(2016年 筑摩書房)などの著書で紹介してきた。

その中で受賞者の造語である「ターミナル・アート」論が展開され、我が国の介護福祉の現場が必要とする芸術文化の力や市民ボランティアに関する提言と啓蒙活動を行っている。次代のアーティストの役割を展望した『ホスピスが美術館になる日』(2010年 ミネルヴァ書房)で、平成23年度の泉鏡花金沢市民文学賞を受賞した。受賞者は、2006年に美術家・社会福祉関係者・医療者・教育関係者の全国的な学会として「アート・ミーツ・ケア学会」を立ち上げ、理事及び学会誌編集長として活躍している。
その実践として2009年より金沢市立病院と金沢美術工芸大学の学生との医芸連携活動「ホスピタリティ・アートプロジェクト」を進め、済生会金沢病院では「アート・コーディネーター」が採用されるなど、医療の場におけるアーティストの活躍の道を拓いてきた。 2018年より保健医療学部を有する新設公立小松大学においては、研究と教育環境の整備に努め、福祉と文化の先進都市を掲げる小松市へのアドバイザーとして貢献している。 

いむら
ひさのり
井村
久則
氏(65歳)
元金沢大学理工研究域物質化学系教授
<受賞理由>
受賞者は、環境試料(植物、海藻、河川水など)の分析のために、信頼度の最も高い絶対定量法として微量元素の不足当量分析法を開発・発展させた。毒性が著しく異なる有機ヒ素や有機スズなどの不足当量化学種分析法を世界で初めて開発し、国際的にも高い評価を得ている。 不足当量分析法は、試料中の対象元素と反応するのに必要な量よりも少ない量(不足当量)の試薬を用いて分離するところに特徴がある。そのため基礎研究として、水試料中の対象元素を有機溶媒に抽出する溶媒抽出法を研究し、複雑な化学平衡を解明して、レアメタルを始め種々の元素に対する精緻な抽出法を確立した。

溶媒抽出法の基礎研究から得られた知見に基づいて、放射性同位体を用いる不足当量分析法のほか、世界に先駆けて安定同位体を用いる不足当量法、さらに、医薬品や農薬に含まれる光学異性体に着目した絶対定量法の開発にも成功し、河川水中の超微量の農薬成分の定量に応用している。以上の研究成果は、分析化学の発展に大いに寄与する一方、独創的な分析化学の成書を著し、国内はもとより海外でも翻訳出版され、後進の啓蒙に尽力している。 受賞者は、その研究の経験を活かして、2008年からスーパーサイエンスハイスクール運営指導委員会委員として助言を行うとともに、石川県教員総合研修センター連携講座教授として、高等学校理科教員の教育スキル向上のための研修を指導している。さらに、石川県原子力環境安全管理協議会委員のほか、環境放射線測定技術委員会委員、温排水影響検討委員会委員、及び石川県環境審議会委員として、石川県の教育及び環境行政に多大な貢献をしている。

たなか のぶゆき
田中
信行
氏(59歳)
金沢美術工芸大学工芸科教授
<受賞理由>
受賞者は漆の皮膜そのものが表現の主役となる独自の立体造形を追求し、漆の美しさ、本質に迫る作品で国内外で活躍する漆造形作家である。「漆の質感に原初的な魅力を感じている」といい、受賞者は「塗り」「研ぎ」という伝統技法を継承しつつ、漆の質感を活かした表現を追求している。
その表現は、凹凸のある曲面を伴いながら漆の自立した皮膜の造形として成立させ、潤いを感じるような表面の滑らかさと漆にしかない底艶はみる人を飽きさせない。漆に惹かれ、漆にある自然素材が持つ深い魅力を引き出すことを常に考えているという。

1959年、東京都江東区に生まれた受賞者は東京芸術大学で蒔絵などの伝統的な加飾を学んだ。一時、漆から離れたが、制作活動を復活したのは「塗り」「研ぎ」という作業を含めた漆の表面の魅力からだ。29歳で初めて開いた個展以来、漆の質感を活かした新しい表現を追い求め、漆を塗ることの意味や漆が塗られた表面が表現の構造及び形態においてどのような意味を持つのか、その答えを求めて皮膜的造形を今日まで展開してきた。数多くの個展やグループ展に参加し、東京国立近代美術館、金沢21世紀美術館、メトロポリタン美術館、ビクトリア&アルバート美術館をはじめとした国内外の美術館に多数のパブリックコレクションがあり、その独自の表現は国内外で高く評価されている。

おおや
りょうせい
雄谷
良成
氏(57歳)
社会福祉法人 佛子園 理事長
<受賞理由>
受賞者は障がい者、高齢者、子育て世代、学生、移住者など、あらゆる世代の人たちが共生できるごちゃまぜ<Rミュニティー「Share(シェア)金沢」などを作り上げた。これからの時代に必要な町づくりの参考になると国内外から注目されている。社会福祉法人佛子園の三代目として生まれた受賞者は、障がいを持つ子どもたちと共に育った経験があり、家族同然に育った障がい者が社会で不当な扱いを受けていることに疑問を持ち、どう解消するかを考えたことがごちゃまぜ<Rミュニティーを作るきっかけとなった。

2014年にオープンした金沢市若松町にある「Share(シェア)金沢」は、あらゆる世代の人たちがごちゃまぜ≠ノなって暮らす「多世代共生タウン」で、クリーニング店、レストラン、売店、天然温泉、デイサービス施設などがあり、就労の場も多く、障がい者や高齢者が働きがい、生きがいを持って充実した日々を楽しむことができる。「Share(シェア)金沢」には受賞者の「障がい者は障がい者だけ、高齢者は高齢者だけといった壁≠なくし、障がい者が隣にいて当たり前の場を作りたい」という思いが繋がっている。 2018年には輪島市で「にぎわい創出や空き家解消」に取り組む「輪島KABULET(カブーレ)」をスタートした。ごちゃまぜ≠ノ加え、漆という町の歴史や文化を受け継ぐ「人」を主役にした町づくりを試みている。受賞者は障がいの有無、年齢、性別、国籍に関わらず、誰もが一緒に暮らせる壁≠フない町づくりをめざし、精力的に活動している。
 
○ITCクラブとは

昭和52年11月、石川テレビ放送が創立10周年記念事業の一つとして県内在住の有識者で構成する「ITCクラブ」を結成、地域の発展と地方文化の向上を目的に以下の事業を行う。

1. 石川テレビ賞の選考、贈呈
2. 講演会の開催
3. その他クラブの目的に沿う事業

平成31年3月1日現在の会員数 155名

○石川テレビ賞とは‥‥‥

昭和53年5月、ITCクラブにより創設、石川県内に在住する個人または団体で、教育文化、産業経済、美術工芸、スポーツ、社会福祉などの各分野で地域社会の発展、向上に貢献、また将来性が極めて顕著なものに贈られる。
候補者はクラブ会員から推薦されたものに限り、同クラブ内で選考委員会を設けて決定する。
昭和53年の第1回から平成30年の第41回までに169個人、15団体を顕彰。

○お問い合わせは‥‥‥

ITCクラブ事務局(槇野)
920−0388 金沢市観音堂町チ−18
石川テレビ放送
電話 076−267−2141

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