石川テレビ



田中
義光
(たなか よしみつ)さん(55歳)
漆芸作家 公益社団法人日本工芸会正会員
石川県立輪島漆芸技術研修所講師

<受賞理由>
能登半島地震から丸2年が過ぎ、輪島塗の業界も少し落ち着いてきたが、まだまだ先が見えない状況が続いている。
高齢者は日々月毎に追い込まれ、若手は先を読み、業界から離れていくものも多い。そうした中、受賞者は輪島に残り、輪島塗の次代を担う蒔絵師としての確かな技、そして作家としても、美しく豊かな着想と表現力で、若手を率先して引っ張っている。
1971年、輪島市で生まれた受賞者は、小さい頃から絵を描くことが好きで、輪島実業高校を卒業し、輪島漆芸技術研修所で漆芸を学んだ後も研鑽を重ね、2018年に47歳で独立した。独立後も積極的に公募展に応募し、2022年の第69回日本伝統工芸展で「蒔絵箱『凛花』」が高松宮記念賞を、2023年の第40回日本伝統漆芸展で「蒔絵箱『優しい風』」が朝日新聞社賞を受賞。2024年元日の震災後も同年の第71回日本伝統工芸展で「蒔絵箱『盛夏』」が日本工芸会奨励賞を、翌年、2025年の第81回現代美術展で「蒔絵箱『里の灯』」が美術文化大賞・石川県芸術文化協会会長賞を受賞した。身近にある椿や睡蓮をはじめとした植物や蝶、貝殻など自然から着想を得たモチーフで叙情的な作風を持ち味としている。また研出蒔絵などの卓越した技術を駆使して表現された作品は、高い評価を得ている。

2025年の春の褒章では「紫綬褒章」を受章。現在、受賞者は輪島漆芸技術研修所の講師、重要無形文化財保持団体輪島塗技術保存会の会員、さらに公益社団法人日本工芸会の企画執行委員会、漆芸部会副部会長、石川支部副幹事長を務めるなど、後進の育成、業界の発展に尽力し、日本の漆の世界を牽引している。

山本
長左
(やまもと ちょうざ)さん(72歳)
(本名:孝(たかし))
(兄)
陶芸家 加賀九谷陶磁器協同組合顧問

山本
(やまもと あつし)さん(69歳)
(弟)
陶芸家 日本伝統工芸士会副会長
加賀九谷陶磁器協同組合理事長

<受賞理由>
兄弟で受賞。
兄の長左さんが絵付けを、弟の篤さんが型打ちなどの成形を担当、すべてを一貫して行い、手仕事による質の高い作品を制作しており、1990年以降、天皇家および皇族の御紋入器や饗宴の儀に使用される器の制作を務めている。
長左さんは、鮮やかな色絵主流の九谷焼において、あえて藍一色(染付)の「藍古九谷」を現代に再現することに情熱を傾けてきた。繊細なブルーの染付は、多くの人々を魅了し、現代の藍九谷の代表的存在として認知されている。「器を使ってこそ生きてくる」という考えのもと、サイズ感や使いやすさにもこだわり、作陶を続けている。篤さんは、機械化が進み、なくなりつつある「型打ち」技法を受け継ぎ、軽く、均整のとれた美しい器を作り上げている。伝統技法・確かな手仕事の技術を守っていくため、土や釉薬の開発、道具の改良にも尽力しており、気品ある黄緑のギョク(勾玉(まがたま))色を再現し黄磁釉と名付けた釉薬を用い、ロクロによる手挽き作品の制作も行う。

二人は、後進育成にも積極的で、何人もの弟子を取り、雇い入れている。長左さんは弟子たちの“基礎”の部分を何より大切に考え、正確で素早い仕事ができるように指導している。篤さんは「型打ち」技法を指導し、手仕事の美を伝えている。理事長を務める加賀九谷陶磁器協同組合では、名窯「青泉窯(せいせんがま)」が保有する貴重な「型」を修復・活用させるなど、二人は、九谷焼の製造技術が途絶えることなく存続するため、後進の育成に日々、取り組んでいる。
清水
空跳
(しみず そらと)さん(17歳)
星稜高等学校3年 陸上競技短距離選手

<受賞理由>
受賞者は2025年7月に広島市で開催された全国高校総体(インターハイ)陸上競技男子100メートルで、18歳未満の世界記録となる10秒00(追い風1.7メートル)で優勝。12年ぶりに日本高校記録を塗り替えた。
その驚異的なタイムは日本国内だけではなく、海外でも報じられ、英紙タイムズ(電子版)は「日本の天才少年が100メートルを10秒で走り、18歳未満の記録を破る」との見出しで紹介。「五輪の短距離メダルを獲得したことがない国において、短距離とスポーツの未来をけん引する有望選手として頭角を現している」と伝えるなど、世界に衝撃を与えた(時事ドットコムより)。また、200メートルでも優勝し、インターハイ2冠を達成した。同年9月の東京世界陸上の参加標準記録(10秒00)もクリアし、日本代表(リレーメンバー)にも選出された。
2009年、金沢市に生まれた受賞者。父は走高跳で高校時代に国体4位の実績を持ち、母も100メートル障害で国体をはじめ全国大会に出場した。姉も400メートル障害で日本学生対抗選手権に出るなど、陸上一家で育った。小学4年から地元の陸上クラブで競技を始め、星稜高校1年、2024年7月の石川県国民スポーツ大会予選会で100メートル10秒26をマークし、高校1年歴代最高記録を更新した。2年生となった2025年7月上旬の日本選手権では高2記録10秒19で走り、高校生で唯一準決勝に進出。そして、同月下旬のインターハイで10秒00を記録するなど、身長164センチと短距離選手としては小柄な受賞者だが、その爆発力を発揮する走りで飛躍的な成長を遂げてきた。

日本陸連の年間表彰式となる「アスレティックス・アワード2025」で新人賞に輝いた受賞者は、2026年度に向けて「一番の目標は(100メートル)9秒台で走ること」と力強く宣言。同年8月に行われるU20世界選手権についても「優勝を目標にして頑張りたい」と意欲を見せている。今後のさらなる躍進に期待したい。
 
 
○ITCクラブとは

昭和52年11月、石川テレビ放送が創立10周年記念事業の一つとして県内在住の有識者で構成する「ITCクラブ」を結成、地域の発展と地方文化の向上を目的に以下の事業を行う。

1. 石川テレビ賞の選考、贈呈
2. 講演会の開催
3. その他クラブの目的に沿う事業

令和8年4月1日現在の会員数 159名 特別会員数13名

○石川テレビ賞とは‥‥‥

昭和53年5月、ITCクラブにより創設、石川県内に在住する個人または団体で、美術・工芸、教育・文化、産業・経済、スポーツ、社会福祉などの各分野で地域社会の発展、向上に貢献、また将来性が極めて顕著なものに贈られる。
候補者はクラブ会員から推薦されたものに限り、同クラブ内で選考委員会を設けて決定する。
昭和53年の第1回から令和7年の第48回までに187個人、16団体を顕彰。

○お問い合わせは‥‥‥

ITCクラブ事務局(槇野)
920-0388 金沢市観音堂町チ-18
石川テレビ放送
電話 076-267-2141

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