石川テレビ



ふくしま
ぶざん
福島
武山
氏(76歳)
九谷焼赤絵細描作家
公益社団法人日本工芸会正会員

<受賞理由>
受賞者は、微細な点と線を駆使し、九谷で失われつつあった赤絵細描を独学で再興し、後進の育成にも尽力、数多くの作家を育てている。 受賞者が九谷焼赤絵細描に出会ったのは、1968年、結婚を機に夫人の出身地・寺井町佐野(現在の能美市佐野町)に移り住んだ時。本格的に九谷焼絵付師を目指し、26歳の時、勤めていた印刷会社を辞め、佐野上絵協同組合に入る。
以来50数年、師匠を持たず、先人の残した名品を師として、赤絵研究を重ね、数多くの後進を育て、今日の赤絵の人気を創出した。赤絵細描とは、江戸後期に流行した南画の技法を焼き物に絵付けするために考え出された技法で、赤絵具の細密描法に金彩を施したもの。全盛期の明治から昭和初期には、九谷焼の代名詞となるほどで、国内外で人気を博した。その後の粗製乱造がたたり、急激に衰退の道を辿った。

赤絵一筋に打ち込んできた受賞者は、絵具の調合、筆の調整など、道具作りから工夫を重ね、「線描」と「濃淡」だけで、人物、花鳥、山水などはもちろん、異次元の幾何模様などを描いてきた。1999年の第23回全国伝統的工芸品公募展での内閣総理大臣賞や2016年の第1回三井ゴールデン匠賞など、数多くの受賞をしてきた。また、2015年には、フランス・エルメス社から腕時計の文字盤を受注するなど、国際的にも高い評価を受けている。県立九谷焼技術研修所では、後継者育成に力を注ぎ、卒業生を工房に積極的に受け入れ、技術、技法、そして工芸家としての心構え、生き方、経済感覚の持ち方などを指導し、数多くの作家を育ててきた。また、展覧会では、赤絵の絵付けを実演し、より多くの人々に興味を持ってもらえるよう努めるなど、九谷焼業界の発展に貢献している。

にし
かつひろ
西
勝廣
氏(66歳)
漆芸作家
公益社団法人日本工芸会正会員
<受賞理由>
受賞者は、輪島塗沈金一筋に研鑽を重ね、輪島塗の発展に寄与、後進の指導、育成に貢献している。輪島市の山間農家に生まれ育った受賞者が地場産業である輪島塗と出会ったのは、1970年、輪島市内に新設された県立輪島実業高校だった。漆器に関わる授業を受け、塗りや加飾技法に触れた。担任の前 史雄氏との出会いが沈金を選択する決め手となった。そして講師の三谷吾一氏の作風から華やかな沈金に憧れを持つようになり、卒業後、三谷氏に師事するとともに県立輪島漆芸技術研修所沈金科で学んだ。1978年に独立、塗面にノミで模様を彫り、金・銀の箔や粉を埋めこむ沈金の道を歩み始める。1980年の第27回日本伝統工芸展に初入選。以来、1997年の第15回日本伝統漆芸展で日本工芸会賞を受賞したのをはじめ、2019年には、第66回日本伝統工芸展で日本工芸会保持者賞を受賞するなど、数多くの受賞をしている。特に、ここ数年の公募展での活躍は目覚ましい。沈金点彫り技法を駆使し、柔らかさと奥行を持つ優美な作風や、プラチナ箔の細工、白漆の塗面を彫るなど、難しい技に挑戦していることも高く評価されている。
1998年から現在まで県立輪島漆芸技術研修所で講師を務めている。また2014年に輪島沈金業組合長に就任。1916(大正5)年に創立した沈金業組合の100周年記念「彫りの道 気鋭の沈金」展を輪島漆芸美術館で共催。 同時に100年の記録を発刊した。2020年には第40回伝統文化ポーラ賞優秀賞、紫綬褒章を。2021年3月には輪島市文化功労賞を受賞した。

あんどう
としお
安藤
敏夫
氏(70歳)
金沢大学ナノ生命科学研究所 特任教授
<受賞理由>
受賞者は、15年の歳月をかけて高速原子間力顕微鏡(高速AFM)を開発した。2008年に世界に先駆けて完成したこの装置は製品化され、世界で広く利用されるとともに、タンパク質の機能メカニズムの解明に貢献してきた。タンパク質は、ほとんどすべての生命現象を担う分子であり、その異常は疾病の原因となる。それ故、タンパク質の働く仕組みの解明は常に生命科学における中心課題である。高速AFM誕生以前には、X線回折法などによりタンパク質の平均化された静止構造を解読するか、タンパク質分子に付けたプローブの動的振る舞いを光学顕微鏡で観察するしかなく、それらの間接的データから機能する仕組みを理解するには相当の時間を要した。或いは、理解することは困難であった。高速AFMは、タンパク分子の機能中の姿とダイナミックな動作を手に取るように観ることを初めて可能にした。この直接観察の革新的威力は『Nature』や『Science』などのトップジャーナルに掲載された数々のタンパク質の観察研究によって実証されている。2020年12月には、「天然変性タンパク質」(IDP)を解析することに成功。IDPの異常によって起こる疾病の治療に繋がることが期待される。
受賞者は、2017年10月に文部科学省の世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)に採択されたナノ生命科学研究所において、さらなる技術改良や新たな顕微鏡の開発、開発した技術のバイオ応用研究、国際交流、人材育成、技術移転・普及の活動を続けている。

かんの
まさひろ
神野
正博
氏(65歳)
社会医療法人財団董仙会 理事長
<受賞理由>
受賞者は、地域の人々一人ひとりの「生きる」を応援し、医療・福祉に貢献している。理事長を務める社会医療法人財団董仙会、社会福祉法人徳充会は、1934年に設立した七尾市の恵寿総合病院を核とし、能登地域を中心に病院や診療所、高齢者、障がい者施設などを運営する医療・介護・福祉の複合体グループである。中核の恵寿総合病院は、2020年4月、能登地区で初めての地域医療支援病院に認可され、紹介患者の診察だけでなく地域の診療所への逆紹介も行うなど、地域の医療機関を支援する役割を担っている。426床を有し、救急医療や先端のがん診療にも対応するほか、院外の医療従事者への研修にも力を入れるなど、能登の医療の充実に寄与してきた。また、七尾市や企業と連携し、最先端医療のPET健診を地域産業である温泉滞在、体験型市内観光と組み合わせることなども試みている。
少子高齢、過疎化が進む能登にあって、社会課題の解決のため、地域に密着し医療と介護を繋ぐ境目のないサービスを構築。病の時の医療、病の後のケアに関して、全国初のイノベーションを数多く引き起す。「医療介護のあらゆるサービスを一元化する窓口としてのコールセンター」「医療介護統合型電子カルテ」「パーソナルヘルスレコード」をはじめICT、AIを駆使して「面倒見のいいヘルスケア」を充実。今後は、病の前の未病段階の支援にも力を注ぐことを目指している。近年、健康経営に力を入れ、2018年より4年連続で健康経営優良法人(ホワイト500)受賞など、医療業務の発展・改善に向けて大きく尽力している。
 
○ITCクラブとは

昭和52年11月、石川テレビ放送が創立10周年記念事業の一つとして県内在住の有識者で構成する「ITCクラブ」を結成、地域の発展と地方文化の向上を目的に以下の事業を行う。

1. 石川テレビ賞の選考、贈呈
2. 講演会の開催
3. その他クラブの目的に沿う事業

令和3年3月1日現在の会員数 160名

○石川テレビ賞とは‥‥‥

昭和53年5月、ITCクラブにより創設、石川県内に在住する個人または団体で、教育文化、産業経済、美術工芸、スポーツ、社会福祉などの各分野で地域社会の発展、向上に貢献、また将来性が極めて顕著なものに贈られる。
候補者はクラブ会員から推薦されたものに限り、同クラブ内で選考委員会を設けて決定する。
昭和53年の第1回から令和2年の第43回までに176個人、15団体を顕彰。

○お問い合わせは‥‥‥

ITCクラブ事務局(槇野)
920−0388 金沢市観音堂町チ−18
石川テレビ放送
電話 076−267−2141

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