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去年春頃は“アビガン”のみ…医師「我々が使える武器増えてきた」抗体カクテル療法の手応えと課題

 新型コロナウイルスの13日までの石川県内の感染者は7624人。このうち123人が亡くなり現在も266人がこのウイルスと闘っています。この第5波から新たに使用されている「抗体カクテル療法」について取材しました。

谷本石川県知事:
「軽症者の重症化を抑える新たな治療法である『抗体カクテル療法』についてはすでに感染者を受け入れる県内すべての病院で実施可能となっています」

 現在、開会中の県議会で、谷本知事が話した抗体カクテル療法。どのような治療法でどれだけの効果があるのでしょうか。金沢市の金沢医療センターで、去年春の第一波から最前線で戦い続けている北俊之医師に聞きました。

北医師:
「当院ではこれまでに12例の患者さんで投与しましたが、患者さんは全員お元気になられまして退院されております。例えば熱があった患者さんでも比較的早期に解熱しますし、あと入院期間も短くて済みますので、早めに療養施設に移動することが可能になっております」

 抗体カクテル療法で使用する治療薬・ロナプリーブ。「カシリビマブ」と「イムデビマブ」という2つの薬剤を混ぜ、点滴で投与します。

 新型コロナウイルスは、スパイクと呼ばれるたんぱく質の突起を使い、体内の細胞に侵入して増殖します。抗体カクテル療法は、2種類の薬剤に含まれる抗体がウイルスと結合し、細胞への侵入を阻止するのです。発症から7日以内の軽症患者への投与が効果的とされています。

 東京都は先週、投与から2週間が経過した患者420人のうち400人、実に95.2%の患者の症状が改善したと発表しました。この治療薬の導入で、医療現場にも変化が起きていると北医師は話します。

北医師:
「これまでは入院患者さんを早い段階で療養施設に移って頂いたとしても、そこで悪くなってまた病院に戻ってくる症例が結構ありました。ところがこれを使い始めてからは、療養施設に移動した後こちらに戻ってくることはなくて、病床も比較的回転が速くなって、どんどん新しく患者さんを受け入れることも可能になっています」

 効果を実感する一方、この治療薬には課題もあります。

北医師:
「使える患者さんというのが重症化の因子がある方、例えば50歳以上とか糖尿病がある方、あとは呼吸器疾患、心臓疾患があるような方、あと肥満の方ですね。そういう方に適用になりますので、比較的若くて元気な方は現在はこの薬は使えません」

 また、点滴薬であるため、飲み薬のように患者が気軽に服用出来ないことも課題の一つです。しかし北医師は、この一年半でコロナと戦う体制が整ってきたことへの手ごたえも感じています。

北医師:
「以前は使えるお薬が、去年の春頃はアビガンというお薬しか使えなかったんですけど、我々が使える武器はどんどん増えてきております。適切な時期に患者さんが病院にいらっしゃって、適切な治療を行うことによって『救える命は救える』と思います」

 医療の進歩で、少しずつ光が見えてきたコロナとの戦い。一番の課題は、感染者の急増で医療崩壊を起こさせない事。そのためには私達一人一人の努力が大切です。

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