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「地獄から天国ですわ…」地震と豪雨の被災地を元気づける“ヒマワリ畑” 更地に種植えた住民たちの思い

地震と豪雨で二重の被害を受けた輪島市南志見地区に今年新たにヒマワリ畑ができました。建物が解体され更地が増える地域を少しでも元気づけようと種を植えた住民たちの思いを取材しました。

黒瓦の仮設住宅が立ち並ぶ輪島市の南志見地区。今年、この場所にヒマワリ畑ができました。

仮設住宅の住民:「かわいいし、きれいやわね」「あそこは私らが植えてんよ」「ここも植えたね」「こんなにいいがに咲くとは思わんかった」

今年5月。ヒマワリの種を植える住民たちの姿がありました。

仮設住宅の住民:「仮設にこもっていたら会えないけど、きょうはたくさんの人に会えました」「この場にいると笑い声も出るし、ひまわりのこれからの過程が楽しみです」

参加したのは南志見地区の住民だけではありません。

解体業者・長田さん:「仮設のお母さんたちが(この辺りを)散歩しているんですけど解体跡は(景色が)寂しくなる」「花を植えて、花見ながら散歩してほしい」

宮崎県から南志見地区にきている解体業者の長田弘さん。南志見にヒマワリ畑をつくる取り組みは長田さんたち解体業者と地元の住民が協力して始まりました。

地元の脇本哲也さんに「いつごろから解体業者とつながりができたのか聞くと…

脇本さん:「豪雨の後やね」「豪雨のときに南志見地区の住民を(解体業者が)自分たちの車で高台まで避難させてくれた、そのあとから」「それまでは距離があった、どこの誰かも分からんかったし」「いまはとても仲良しですね」「南志見に住んでくれって頼んどる」

こうして生まれたつながりをきっかけに発足したのが「なじみ希望の会」です。

脇本さん:「南志見の人みんなで、南志見を盛り上げていきたいという思いがありまして、みなさんにご協力していただけたらなという思いがあります」

地域を盛り上げる取り組みの1つとして企画した南志見の「ひまわり畑」。地震の影響で水が引けなくなった田んぼを活用しました。

脇本さん:「お盆くらいに咲いてくれれば…お盆に少しでも人が帰ってきて、家もなんもないかもしれないけど家族の顔見に帰ってきてくれて、その時に咲いてれば一番いいかな」

種を植えてからおよそ2カ月…

長田さん:「だいぶ咲いてきてますね」

南志見のヒマワリは見頃を迎えています。

長田さん:「住民の方たちがですね、毎日毎日見て、だいぶ咲いたねって言ってくれるので嬉しいですね」

この日も、仮設住宅の住民たちが力強く咲き誇るヒマワリを見に訪れていました。

仮設住宅の住民:「ほんと素敵ね」「夕方になるとここを散歩して成長したのを楽しみにして、この花を眺めるのを今か今かと待っていた」「こんなことしてくれると夢にも思わなかった、解体業者の人に感謝」「地獄から天国ですわ」「あの苦を知ってこういう素晴らしい…散歩の時間帯だけでも心がウキウキして幸せやし、前向きになれるしね」

脇本さん:「思ったより伸びなかったのもあって寂しいところもまだらにあるんですけど、まあ初めてにしてはよかったんじゃないですか」「みなさん元気で楽しんでやってくれたら、それがもともとの私たちの思いなので、徐々に徐々にですけどいろんなことして地域の人たちが喜んでくれれば」

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