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未だ田んぼに水を張れない地域が…“復興元年” ドローンから見た5月の能登 鯉のぼりが被災者元気づける
「復興元年」と位置づけられる2025年。いまこの時、能登の復旧・復興、人々の暮らしはどうなっているのでしょうか?ドローンの空撮映像で5月を迎えた能登を記録しました。
スタートは能登町から。田植えの季節を迎えるころ、あちこちが燃えるような赤で彩られます。のとキリシマツツジです。
カメラは能登町柳田(やなぎだ)を通って輪島市町野町(まちのまち)へ。
5月になっても田んぼに水が張れない地域がありました。2024年9月の豪雨で大量の土砂が流れ込んだためです。
住民:
「出荷もだいぶ出来ていたんですけど、去年の大水でやられてダメで。食べる分だけ何とか確保しました。田んぼができなくて、仕方ないですね、畑してるより。」
今、できること。土砂を取り除いた小さな畑にトマトとナスの苗を植えました。
住民:
「野菜しているだけ。田んぼできればいいな…。」
国道249号を北上すると見えてくるのが珠洲市真浦町(まうらまち)です。
今も断水が続いていて、解消されるのは早くて今月末の見込みです。
その先にある、珠洲市仁江町(にえまち)。
二次災害の恐れがあるとして23世帯すべてに避難指示が出されています。
川端利活区長:
「こんなような状態で。何十年とかけて築いたものが一瞬で無くなったわけじゃないですか。再建するといっても一瞬で戻せない。当然時間はかかります。」
それでも少しずつ変化が。隆起した海岸に新たに造成された土地。ここには災害公営住宅が建てられる予定です。
日常を取り戻すための一歩を踏み出した町もありました。
住民:
「やっぱりこの町は、この季節鯉のぼりが泳いでいないとらしくないね。」
珠洲市大谷町(おおたにまち)。地震前、毎年この時期にはおよそ450匹のこいのぼりが大谷川に飾られ多くの人でにぎわっていました。
2025年は海沿いに場所を移して2年ぶりに復活。
住民:
「お久しぶり。」
住民同士が再会する場にもなりました。
住民:
「こんな風にあがってる鯉のぼりも悪くないなって。」
「屋根より低い鯉のぼり。」
「やっぱり何もせんというのはさみしいわ。」
5月の空を泳ぐこいのぼりは、別の場所でも…。
地震で崩れた景勝地「窓岩」の前にはボランティアが掲げたこいのぼりがありました。
住民:
「海のそばで、しかも天然記念物の窓岩バックの鯉のぼりというのも中々絵になるんじゃないですか。何にもないところに元気よくこうして上がって、来る人に喜んでもらえるのが一番私たち地元にとってもありがたいし嬉しいことです。」
こいのぼりに誘われ、立ち寄ったという岐阜県の親子。父親が度々ボランティアで訪れる能登を子どもに見せようと思ったそうです。
子ども:
「きれいな鯉のぼりだなって思った。」
父親:
「土砂崩れとか家が崩れるとか大変なことが起きてるんだなっていうのはなんとなく。僕がボランティアに行ってるのは知ってるので。こういうところ父ちゃん行ってるんだよっていうのを見せたくて今日は。それなりに感じることがあるらしく…。」
それぞれの思いで迎えたゴールデンウイーク。5月の能登の今でした。