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「やめずに続けたので今がある」糖度25度の黒いダイヤ「黒蜜姫」20年の挑戦
ごちそうのありかのコーナーです。彦摩呂さんと加藤アナウンサーは、収穫量が少なく「黒いダイヤ」とも呼ばれるフルーツを調べに行っているそうです。
6年前の2020年、「黒蜜姫」という愛称でブランド化された宝達志水町の黒イチジク「ビオレソリエス」その生産をおよそ20年前から続けてきたのが松浦尚樹さんです。
松浦さん:
「これが愛称で黒蜜姫って呼ばれているビオレソリエスっていう品種です。」
元々、町の特産品だったイチジク。出荷時期の異なる品種を育てることで、収穫や出荷の作業を分散させようと、20年前に黒蜜姫の栽培を始めました。周りに黒蜜姫の生産者はおらず手探りでのスタート。最初はわずか5本の木からの挑戦だったそうです。
松浦さん:
「最初の方は出荷しても出荷量が少ないので農協自体もほんなもん出してもお金にならんしやめてしまえっていうような感じの声があったんですよ。」
始めは一般的なイチジクと同じように育ててみましたが、思うように実が付きませんでした。
松浦さん:
「普通の増井ドーフィンとかですと必ず実が付くんですね。葉っぱが付けば必ず実が付くんですけども、これは(黒蜜姫は)樹勢が強いので、実が付きにくいんです。」
周囲から「もうやめたら」と言われる中、それでも松浦さんは栽培を続けました。
松浦さん:
「私としてはなんとも言えないあの真っ赤な色が好きなので。」
松浦さんを虜にした黒蜜姫。その魅力は濃厚な甘さです。一般的なイチジクの品種、増井ドーフィンの糖度がおよそ18度なのに対し、黒蜜姫は22度~23度。中には25度に達するものもあるといいます。松浦さん、根気強く、手探りで栽培方法を探すこと10年。
ようやく見つけた栽培方法というのが…
松浦さん:
「剪定の時期をちょっと遅らせる。」
一般的なイチジクは5月頃に余分な芽を落としますが、黒蜜姫は樹勢が強いためあえて6月ごろまで待ってから剪定をします。そうすることで、木の勢いを抑え、実が付きやすい状態を作ることができたそうです。また肥料のやり方にも工夫が。
松浦さん:
「こまめにやっていかないと、最初ドーンってやってあとやらないわっていうんじゃなくて一か月一か月少しずつ追肥をやっていくっていう感じ。」
一般的なイチジクは、始めに多くの肥料をあげれば済むものの、黒蜜姫の場合は、少量の肥料を複数回に分けないと枝葉が伸びすぎて実の付き具合が悪くなることも分かりました。
しかし…
松浦さん:
「豆粒大の時に高温になるとそれが落ちるんです。これは毎年起きるんですけど、これだけはどうにもこうにもならないんで。(ハウスの屋根を)開けとっても温度が高いのでね、最近は。」
ーー別の別のイチジクも同じように落ちやすい?
「このイチジク(黒蜜姫)だけ。」
暑さに弱いのも黒蜜姫の特長。この栽培の難しさが幻のイチジク、黒いダイヤと呼ばれるようになった所以です。
松浦さんのノウハウもあって、今では宝達志水町内で13軒の農家が栽培に取り組むようになりました。しかし、去年の出荷量は、一般的なイチジクが37.5トンだったの対し、黒蜜姫は3トンと、きわめて希少です。
JAはくい営農部イチジク担当 別宗龍馬さん:
「町からも支援していただいて、少しずつ、黒蜜姫のブランド化を推進していっています。」
黒い実を割ると濃厚でねっとりと甘く真っ赤な実が現れる黒蜜姫。その一粒には、実が付きにくい品種と向き合い続けた松浦さんの20年の挑戦が詰まっています。
松浦さん:
「やめずに続けたので今がある。その時で辞めてしまえば黒蜜姫っていうのは全然ないので。」