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奥能登で“墓じまい”急増も…「寂しくてできん」と通いやすい所に新たに建てた被災者 毎朝漂う線香の香り

能登半島地震で被害の大きかった奥能登で急増しているのが「墓じまい」です。
「墓じまい」には墓を完全に撤去することに加え別の墓に移すことや納骨堂に納めることも含まれています。
高齢化が進む能登の墓事情を取材しました。

珠洲市馬緤町(まつなぎまち)に住む中平(なかひら)よう子さん82歳。
中平さんの両親など先祖代々の墓。
この日、中平さんは「墓じまい」をしました。

記者:「この墓は?」
中平よう子さん:
「私の実家、先祖」
「ごめん息が切れた。腰曲がっとるさかいに長いこと立っていられない」
「こんなところ墓掃除にも来られんし」

狭い道を登った高台にある中平さんの実家の墓。
能登半島地震で墓は倒壊し2年が経ってもそのままになっていました。

能登半島地震で被害が大きかった輪島市・珠洲市能登町・穴水町では墓じまいで届け出る改葬許可の申請が地震前の2023年に233件だったのが地震後の2024年には2・5倍の597件と急増。
2025年も400件を上回っています。
石材を扱う店にも墓じまいの問い合わせが増えているといいます。

米永石材営業課 細島拓也課長:
「この地震を機に移転したいとか新しくしたい直したいという方は非常に多いです。僕らとしてもご家族の大事な方が眠っているお墓なのでそういうのをお手伝いできれば」

跡継ぎのいない中平さんの実家の墓。
しかし、中平さんは「墓じまい」をしたあとに別の場所に墓を新しく建てることを決めました。

中平さんは地震で自宅を解体し潰れずに残った納屋に一人で暮らしています。

中平よう子さん:
「(夫は)体力もそんなにあれやってんけど前立腺のガンで車中泊みんなでして入院やとって言ったらにこってほっとした顔してね。その時の会話それで終わり。それで喋っとらん。2月4日亡くなってん」
「朝起きるとここに線香最初2本立てていたけど2本立てていたらすごく線香くさいんです下まで線香くさいげん。そしたら1本にして」

中平さんにとって手を合わせることは大切な習慣です。

中平さんはこれまでの場所よりも通いやすく、明るいところに墓を建てました。

中平よう子さん:
「(移転せず)墓じまいなんかさみしくてできん。誰が守りするんって言う人もおるけどそんな人の言うことなんて気にしない。墓じまいなんてできない」
「よかったね」

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