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能登町で震災と豪雨の記憶を未来へ繋ぐ写真展 「これをバネにして復旧復興に突き進んでいく」企画者の思い
奥能登豪雨から1年。大きな被害を受けた能登町で、災害の記憶を写真でたどる巡回展「写真で見る能登町の震災と豪雨」が始まりました。
会場は、普段は放課後の子どもたちが集まる柳田教養文化館。そこに並べられたのは、地震と豪雨の被害を克明に記録した数々の写真です。
このイベントを企画した能登町教育委員会の寺口学さんに、写真展に込めた思いを伺いました。
――本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、どうしてこの写真展を開こうと思われたのでしょうか?
寺口さん:
今年度に入ってから、町民の方から「震災の時の様子について、写真などを見たい」というご要望がありました。そのご要望を叶えようということ、また、震災から1年8カ月、豪雨からも1年が経ったところですから、その記憶を伝えていこうということで、この展示を企画しました。
――こちらの写真は、寺口さんを始め、地元の方々が撮ったものが多いそうですが、どのように選んだのでしょうか?
寺口さん:
町内くまなく被害状況を知ることができるように、揃えて掲載をしました。
――昨年9月に発生した奥能登豪雨では、能登町で2人の方が亡くなり、300棟の住宅が被害に遭いました。明後日で1年が経ちますが、今どのようなお気持ちでしょうか?
寺口さん:
やはり当時、こういった水の被害、豪雨に遭遇してすごく恐怖を感じましたし、災害の凄さをすごく感じました。備えがあったからこそ今があるのだなと思いました。
――会場には被害の写真だけでなく、能登の綺麗な夜空の写真も展示されています。これはどうしてなのでしょうか?
寺口さん:
実はよく見比べていただくと、震災の前と後の様子が見比べられるようになっています。特に、見附島の様子など、震災によって崩れてしまった様子を写しているわけですが、やはり能登は星空がすごく綺麗なところですから、その星空と共に、こうした震災について写真を見ていただきたいなということで展示をいたしました。
――最後に、この展示会を通して皆さんにどのような思いを持ってほしいですか?
寺口さん:
この能登というところは、昔から災害がすごくたくさんあったところです。その中でも昔の人たちは、立ち上がって復旧復興してきました。そうした昔の人たちの思いを胸にして、私たちもこの写真を見ながら、振り返りながら、これをバネにして復旧復興に突き進んでいく、そういった思いで見ていただければなという風に思います。
――災害を風化させないためのこうした取り組みは、とても大切だと感じました。本日はありがとうございました。
この写真展は、柳田教養文化館では来月4日まで開かれています。その後、来年1月23日まで能登町内を巡回する予定です。