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「老後楽しむどころか苦しみに」奥能登豪雨から1年 経営する宿で夫を失った妻の無念「喋っても返事ない」

池田真里子さん:
「どろどろ…この間の雨でまた1階に(水が)入ったから中まで。そこら中だしどうしようと思いながら仕事しとるし。1人で手に余るしかといって誰も頼めないし。」

珠洲市真浦町の「ホテル海楽荘」。能登半島地震の後も、復旧工事にあたる作業員を宿で受け入れていた池田真里子さんと夫・幸雄さんを奥能登豪雨が襲いました。

池田さん:
「こっちからの水と廊下からの水と両方来たので私とお父さんはここにいたんですよ。まさかそんな後ろから水が来るとは思わないから、ここに2人ですごいなって見ていたところで流されて。」

「そこの柵のところになんとか引っかかって助かったんやけど、お父さんは松の木の間のところにおったんですよ。お父さんって呼んだらそこで手をあげた。もうちょっとで捕まえるところにまた後ろから大きい水が来てそのまま流れていった。」

「2人ともそのまま死んでいたかもしれないから後始末せえよっていうのでわたしだけ置いていったのかもしれん。」

今年4月、アスベストが確認され、これまで土砂の撤去などを手伝っていたボランティアは手伝うことができなくなりました。池田さんは、公費解体を待つ宿と仮設住宅を往復し片付けを続けています。

池田さん:
「車で1時間ほどかけては往復してるから。2時間ほどしゃべる相手がいないから(幸雄さんに)しゃべっては一緒にしゃべっては走ってきていますけど、返事は来てません。」

「病気とかだったらあきらめもつくけども、急にぱつっといなくなったら。これから老後を楽しもうかなと思っていた頃だった。楽しむどころか苦しみになった。」

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