石川テレビ

石川テレビ 8ch

石川県内ニュース

「行き先ない高齢の被災者」看護と介護の両立…スタッフ疲弊、調整困難 金沢の医療機関が危機感

医療機関が危機に瀕しています。今回の地震で能登地区の病院は被害を受けましたが、それを支える金沢市の医療現場でもいま大きな問題が起きています。

看護師:
「おみそ汁飲むよ、はい」

ここは介護施設ではありません。金沢医療センター。

看護師が食事を介助しているのは、能登地区から運ばれてきた寝たきりの高齢患者です。

金沢医療センター・阪上学院長:
「介護度が高い方を病院の『看護』という業務と一緒にやっていかないといけないということで、そこに関わることによっての疲れというのは多くみられるかなと思います」

看護師:
「反対向きますね。手を離してね」      

おむつの交換です。

一般的に病院は「7対1看護」、つまり患者7人に対して看護師1人を配置する体制をとっています。

しかし、介護現場は入居者3人に対して職員が1人以上必要と決まっています。通常の医療に加えて介護にも人手がかかり医療従事者が疲弊します。

それが今、病院で起きている課題です。

しかし、これは今に始まった話ではありません。

医療スタッフ(2022年取材):
「ごはん食べますよ」     

患者:
「ごはんよりおしっこしたいです」

医療スタッフ:
「おしっこはちゃんと管から出てるの…」

2022年に撮影された金沢医療センターのコロナ病棟の様子です。

高齢者施設でクラスターが発生したことで多くの高齢患者が運び込まれ、コロナ病棟は、福祉施設と化しました。

金沢医療センター・阪上学院長:
「コロナ禍の時には、症状が改善した場合に元の場所に戻れるあるいは自宅に帰られる方も結構いらっしゃったのでそういった意味ではその時期(波)を乗り切ればというような状況があったのですが」

新型コロナでも似たような光景が繰り広げられました。

しかし、今決定的に違うことがあります。

それはー。

金沢医療センター・阪上学院長:
「現在の状況としては一旦入院された高齢者の方がいわゆる『行き先がない』と  いうような状況がまだまだ続いているのかなと思います」

金沢医療センターは地震発生以降、能登地区からの入院患者を約150人受け入れました。治療を終えれば退院するのですが、受け入れ先がない人がまだ20人ほどいます。

金沢医療センター・阪上学院長:
「療養病床を持たれている慢性期の病院に移っていただこうと調整しても、その病院自体が40人を超える人が順番について回っていると、高齢者施設の細いパイプであったりとか、療養型病院の細いパイプであったりとかを少しずつつなぎながらやっているというのが現状です」

高齢化率の高い能登で起こった大災害。阪上院長は、いま石川で起きている状況を今後に生かすべきと訴えます。

金沢医療センター・阪上学院長:
「今後、南海トラフ(地震)とかで色んなところで能登半島と同じような事が起こってくると、非常に問題が大きくなると思いますね。いろんな解決策は今から日本全体で考えていかないといけないんだろうという感じがしています」

最近のニュース