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生活保護費引き下げは「違法」名古屋高裁金沢支部が引き下げ取消を命じる判決 石川等の受給者の訴え認める

生活保護費を段階的に引き下げたのは違法だとして、全国の受給者が取り消しなどを求めた裁判で、今年6月、最高裁は引き下げは違法とする初めての統一判断を示しました。これを受けて、17日、名古屋高裁金沢支部は、石川と富山の受給者の訴えを認め、生活保護費の引き下げを取り消すよう命じました。

この裁判は、国が2013年から2015年にかけて段階的に生活保護費を引き下げたことについて憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」に反し違法だとして引き下げの取り消しなどを求め全国で訴えが起こされてきたものです。

金沢地方裁判所は2021年11月、原告の請求を棄却する判決を言い渡しましたが、各裁判所で判断が分かれていました。

こうした中、今年6月。最高裁は上告された大阪と名古屋の裁判について「デフレ調整で物価の変動率のみを直接の指標にしたことには専門的知見との整合性を欠くところがあり、厚生労働大臣の判断には誤りがあった。」と指摘、引き下げは違法とする統一判断を示し、取り消しを命じる判決を言い渡したのです。

最高裁の統一判断後、初めてとなる同様の裁判の判決。名古屋高裁金沢支部の大野和明裁判長は、「厚生労働大臣の判断に裁量権の範囲の逸脱があり生活保護法に違反して違法というべき。」と述べ、一審の金沢地裁の判決を破棄し、生活保護費引き下げを取り消すよう命じました。

2014年10月の提訴から10年以上の歳月がかかったことを踏まえ、原告団は「長い闘いだった。」と勝訴を喜びました。しかし裁判の途中、原告の1人はなくなっていて、原告団は国による謝罪と再発防止措置が講じられるまで闘いを続けていく方針です。

同様の裁判は全国17カ所で行われていて、最高裁の判断に基づき、いずれも原告側が勝訴する見通しです。

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