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北陸初の夜間中学校に3児の母が通う理由「本当は内気な性格…ここに来たからこそ」

2025年4月、北陸初の夜間中学校として開校したのがあすなろ中学校です。
どんな人がどういう目的で通っているのか生徒を取材しました。

吉川理絵さん、3人の娘を育てる母親です。

吉川さん:
「子どもが不登校だったんで、こういうとこあるよっていうのを教えたくて、自分が体験受けて体験受けている内に、自分が入りたいかなって思ってきて。結果的に、不登校だった娘は、その高校に進学して中学校もちょいちょい行きながら卒業しました。」

吉川さんには、中学校に入学した本当の理由がありました。

吉川さん:
「一番でかいのが、自分自身学校に行かなかったということで、勉強嫌だなとというのが。学校行くの嫌だなとなって」
記者:
「勉強嫌だなというのは、教えてくれる先生とかが居なかった?」
吉川さん:
「聞きにいったところで、『なんで分かんないの?』の言葉が結構返ってくるんですよね。聞いても無駄なんかな。」

不登校になりながらも、中学校を卒業しました。

あすなろ中学校は、2025年4月に北陸初の夜間中学校として開校し、10代~70代の生徒22人が入学しました。

上田校長:
「生徒さんはこの学校に通うことが挑戦ですし、我々も新しいこと切り開いていくのは、大きな挑戦です。」
午後6時頃から授業が始まるあすなろ中学校。
様々な事情で義務教育を修了できなかった人。
不登校などにより十分な教育を受けられないまま中学を卒業した人。
日本の義務教育を受けたい外国籍の人などが学んでいます。
先生は、1クラス2人制で分からないところを1人ずつ丁寧に教えてくれます。

吉川さん:
「基本、先生が2人居て、分かんなかったらすぐ、ここ分かんないですけどと聞けるので、分からないで次に行くのではなくて、分かんない時に聞けるから。自分自身、学校行かなかったというので、何も分からないままここまで来たというのがあって、やっぱり学びたいという気持ちがどうしてもあって。」

この男性も、中学校に通えませんでした。

Aさん:
「中学校の時に不登校になって勉強やっていなかったので、学びたいというので、ここにきました。人間関係ですかね。うまくできなくて。疎外感を感じて。行きづらくなった。」

この日は、全校生徒が集まる体育の授業。

上田校長:
「よさこいという種目で体育の授業をやっていく予定です。動きがあると、人間関係も変化するスピードも早いですので、座って勉強することだけでは無いなという風に生徒さんの姿から見ていて感じています。」

初の試みとなった、よさこいの授業。男性も積極的に参加していました。

Aさん:
「昔はいろいろ考えるとネガティブの方に思考がいってしまうんですけど、最近は少しポジティブになったかなと思います。」

吉川さんも振り付けに苦労しながらも踊り切りました。

吉川さん:
「本当は内気な性格なんですよ。でも自分が楽しいなやってみたいなと思ったら他の人にもすすめてやろうよはあります。ここにきたからこそです。」

学ぶのに「遅い」ということはない。あすなろ中学校がそれを証明しています。

上田校長:
「石川県には前例のない学校でしたので、日々どうしたら一番いいか考えながら生徒さんと一緒に学校を作っている。楽しくもあり、毎日作り出していくことが課題」

さまざまな人が集うあすなろ中学校。可能性は無限大です。

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