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ISHIKAWA TV NEWS
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佐渡では44億円の経済効果 能登のトキ共生に「定着してくれればいいね」農家の本音
「石川のいまここが気になる」のコーナーです。今回は約2カ月前に羽咋市で放鳥されたトキの話題です。これまでに18羽のトキが放鳥され、今月19日の時点で羽咋市や七尾市、そして珠洲市や富山県にまで飛来したことが確認されています。トキとの共生を地域の力につなげるには何が必要なのか。18年前の放鳥から、トキとともに歩んできた新潟県佐渡市の経験から能登の未来を考えます。
トキの放鳥から約2カ月。放鳥場所となった羽咋市では、農家の北江克伸さんが稲刈りを始めました。
ーーみなさんの意識って放鳥から変わったりした?
「ないね、見たことないねってみんな。見た?見た?って会話するけど見たことないって。化学肥料を半分にしたら、そうすることでコメが減収になった分を賄えられたらいいけど、どうしても収入考えてしまうわね。」
トキがエサを探す田んぼは、生き物が暮らしやすい環境をつくるため農薬や除草剤を減らすことが求められます。そのため草刈りなどの手間が増え、収量が減って収益を圧迫する恐れもあります。
県トキ共生推進室 早松良美室長:
「創造的復興プランの方に、トキが舞う能登の実現ということで、復興に向けてトキを活用しようということになっています。トキを見に来るという観光商品の造成なんかもゆくゆくは視野に入れたいと思っていまして、そういったものをもとに交流人口の拡大につなげたいなと思っています。」
トキの放鳥がどのように地域で実を結ぶのでしょうか。
2008年にトキが放鳥された新潟県佐渡市。今では至るところにトキが生息し、身近な生き物となっています。
18年前の放鳥からトキの野生復帰に携わってきた市の職員、土屋智起さん。
「放鳥初年度から想定外の連続でした。最初トキは山の中の小さい田んぼにずっといるもんだとみんな思っていたんです。実際放してみると平地の人里に近いところにばっかり行くと、その都度状況を見ながらいろんなことを考えていった。」
試行錯誤を積み重ね、現在、野生下には500羽近いトキが生息しています。そして今ではトキそのものが人を呼び込む存在になっています。
観光客:
「トキの森公園を一番、来たいと言っていたので」
「かわいかった」
ーートキみれた?
「うん」「トキみたいと思ってきたので」
「学名がニッポニアニッポンってすごい日本を象徴する鳥でかっこいいなという話をしていたので、直でみれたらいいなって思いました」
佐渡市内で160年以上続く老舗旅館。
湖畔の宿 吉田家 山田久志代表:
「2階から8階まで全て満室。一応一つだけ予備はとってありますけど。30年40年も前からの経緯をみると、佐渡金山が佐渡観光のお客様の9割くらい。それがトキが佐渡へきて、どんどん増えていくようになってからは数字が逆転しまして、良い効果はあると思います。」
トキを中心とした佐渡の経済効果について3年前にまとめられた研究があります。アンケート調査などをもとにトキを目的とした観光客を年間約5万3000人と推計。それに伴う消費を含む経済波及効果は年間44億5000万円にのぼると推定されました。
調査を行った研究者は…。
人間環境大学 岡久雄二講師:
「トキの野生復帰事業というのは、佐渡の経済にとってとても重要な役割を果たしているということだと思います。総額として44.5億円というかなりインパクトのある数字なので、目に見えてメリットがあるのを理解していただける」
一方、トキの生息環境を支える農林水産業への波及効果は約3460万円で、全体の0.7パーセントにとどまると試算されました。
岡久雄二講師:
「佐渡を訪れたときに食べているものが佐渡で生産されたものなのかということがあります。佐渡ではそこが一つのネックになっていたというのがあって、地産地消を積極的に進めているが、そうはいっても観光客が消費しているもの全てが佐渡産ではない。結果的に農林水産への波及効果は小さくなってしまうというのがあります」
佐渡市片野尾地区。かつて野生のトキが最後まで生息していた地域のひとつです。
ーー一番大変な仕事は?
「草刈りです。全部道も畔も手刈りで。除草剤を使うとトキが来ないので草刈りが追いつかない。トキが住んでいる地域の宿命です。頑張ってください。」
生き物が暮らせる環境を守ろうと、地域をあげて農薬を減らしたコメ作りを行っています。市の補助金も活用していますが、増えた手間を補えるほどではないといいます。
片野尾とき舞 神蔵智行代表:
「ほぼ肥料代で消えるんで、農家で利益を出すのは中山間では厳しいのかな。この先もないんだろうなと思います。」
地域では高齢化が進み、担い手不足も課題となっていて、農地を守るための農業法人も設立しました。トキが暮らす田んぼをどう守っていくのか。試行錯誤を続けています。
神蔵代表:
「集落を守ることが、景色を守ることが、トキを守ることにつながると思っているので、今はできることをやるしかない。」
佐渡のトキを一目見たいと石川からやってきた家族がいました。
志賀町出身 升本侑太さん:
「能登でトキのことを調べていたんですけど、佐渡で生まれたトキだから、せっかくだから佐渡に見に行こうって。」
長男・寛大くん:
「最初はあんまり興味なかったんですけど、放鳥されたしちょっと興味わいて。調べてみようかなと思って、自由研究にすることにしました。」
夏休みの自由研究にまとめようと、地元の人にインタビューも。
寛大くん:
「今までトキをみて、絶対に忘れないことはありますか」
地元の人:
「上空をぐるぐる、美しいトキが飛んでいたのをずっと覚えていますね。一回いなくなった鳥なんですけど、いなくならないようにいろんな努力をして、今そこにトキが戻ってきているっていうのが奇跡的だなって。」
初めて目にした、野生下で暮らすトキ。
寛大くん:
「すっごいきれいで感動しました。こんな感じで野生で生き生きしているところがあるんだって感動しました。そこ向いたらトキがいるみたいな、そういう感じのたくさんトキがいるところがみたいです。」
この日、羽咋市で作業中だった農家の北江さんが偶然見つけたのは…。
北江さん:
「おおほんとや。朝さっき通った時小さいからサギかなって」
ーー初めてのトキはどう?
「いいね。定着してくれればいいね」