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「足1本で45万円以上…」被災地・珠洲で揚がった加能ガニの最高峰“輝”に450万円の値 復興への力に
「加能ガニ」の最高峰「輝」。6日の初競りで見事、「輝」が誕生しました。
落札額は過去2番目に高い450万円!落札までをドキュメントでお伝えします。
6日の珠洲市、蛸島漁港。初めて「輝」がブランド化された2021年の解禁初日に見事500万円の輝を水揚げした港です。
選別する人:「(珠洲からでっかいのでたら?)励みになりますわね。」
「でもあんな高いことないでしょ。あははは。(もし高かったらどうします?)あはははわからんね。(笑うしかない?)ねー。」
解禁初日。続々とカニが水揚げされる中、「輝」候補が3匹現れました。
最も大きくて立派だったのは、長栄丸のカニ。
重さは、輝きの認定基準を大きく越える1.7キロです。
長栄丸の関係者・森下廣司さん:(輝候補になっていたが?)「なってくれればいいけどね。活気がついていいだろうけどね」
能登半島地震で津波に襲われ地盤隆起でひび割れするなど、大きな被害を受けた蛸島漁港。
「輝」が誕生すれば、大きなニュースとなり復興にも弾みがつきます。
一方、輝を認定するかなざわ総合市場には県内の各港から続々と、「輝」候補が到着していました。
そんな「輝」候補を見定める人たちの中に、今回なんとしてでも手に入れようとする人がいました。
旅館「つる幸」の主人、竹本啓亮さんです。
名料亭として全国の食通をうならせた「つる幸」。
2018年に惜しまれつつ閉店しましたが能登町の旅館、百楽荘が土地と建物を引き継ぎ、初競りの翌日、料理旅館としてリニューアルオープンするからです。
竹本さん:「珠洲行ってきたんですけど、やはりまだ復旧復興と言っていますが、まだまだなので、そんな方たちの少しでも力になれればと思いまして、そういう方の力になるために落としたいですね」
午後6時。あの蛸島のカニを乗せたトラックが到着しました。
一つずつ、見定める目利き人。
午後7時。受付が締め切られると、一匹の大きなカニが水槽に入れられました。
「輝」の誕生です。あの長栄丸のカニが「輝」に認定されました。
竹本さん:「なんとしても落としたい」
午後7時半、いよいよ今年の競りが始まりました。まずは今年からはじまった各漁船イチオシのカニ「一番推し」から競りが始まります。
そして最後…輝です。見事、つる幸の竹本さんが過去2番目の高さとなる450万円で輝を落札しました。
竹本さん:「良かったです」
一夜明け、輝を水揚げした長栄丸の船長は…
長栄丸の船長・森下秀和さん:「まさか自分にあたるとは思ってなかったです。(日頃の行いですかね)いやー、どうかわからんよ」
「地震以降もあまり何も変わっていない、復興もまだまだ、市場もそうですけど、町の方もまだ復興には至っていないんで、明るい話題ができれば嬉しいなと思います」
午後5時ごろ、つる幸でふるまわれた450万円の輝。
竹本さん「うわさの輝でございます。どれよりもきれいで」「日本で一番大きい一番いいカニかと思います」
宿泊客は元々食べる予定だったコース料理のカニが輝にグレードアップ。
そのまま刺身で輝の味を堪能しました。
宿泊客:「めちゃめちゃ甘みも感じて(1本)45万円以上の価値がありますね」
「もう幸せな気持ちでいっぱいになりました。ただお値段も聞いちゃったのでいただく時にちょっと震えちゃいました。」
「人生に一度あるのかないのかぐらいだと思うので、本当に(人生で)一番になったと思います」