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飲酒運転でひき逃げし2人死傷…元少年に遺族への4800万円余りの賠償命じる判決 同乗者の責任は認めず
5年前の12月、金沢市内の繁華街で当時19歳の元少年が飲酒運転で2人をひき逃げし死傷させた事件。遺族は元少年に加え、同乗者などに対して損害賠償を求め裁判を起こしていました。
きょう金沢地裁で判決が言い渡され裁判所は元少年の責任は認定しましたが、同乗者らへの請求は棄却しました。
暮れも押し迫った2020年12月26日早朝。
金沢市片町で当時19歳の元少年は酒に酔った状態で車を運転し、男性1人をはねた直後に赤信号を無視して交差点に進入。
横断歩道を渡っていた太田久美子(おおたくみこ)さん(当時78)をはねて死亡させた上、逃走したとして危険運転致死などの罪に問われていました。
一審で金沢地裁は懲役14年を言い渡し二審の名古屋高裁金沢支部も元少年の控訴を棄却、その後、刑は確定しました。
太田さんの遺族は元少年に加え車に同乗していた3人も飲酒運転を止める義務があったなどとしておよそ5800万円の損害賠償を求め裁判を起こしていました。
9月25日の判決で金沢地裁の土屋毅(つちやつよし)裁判長は、元少年は赤信号を無視する意図があったとして原告の訴えを認め、4800万円あまりの支払いを命じました。
一方で同乗者らに対して土屋裁判長は「本件事故が飲酒によるアルコールの影響で発生したとみることには疑問が残る」として同乗者らには事故の予見ができなかったと判断。1回目の事故が発生したあとに車から降ろすよう求めていた事などから同乗者らの責任は認めませんでした。
判決を受け遺族は…。
太田久美子さんの長男裕之さん
「どうしても納得できない部分もあるので素直には(母に)報告できないかもしれないです。相手側からは一度も直接の謝罪はないですし反省の態度も全く我々には感じられなかったので正直…怒りしかないですね心の底からそういう(謝罪の)気持ちがあるのであればこれまでも謝罪の機会はあったと思うんですけどこれまでに全くないってことはそういう気持ちもなかったんだろうなと。今回の裁判では同乗者や使用人に対しての責任は認められなかったんですけど決して彼らに全く責任がないというわけではないと思いますので「自分たちは全然悪くなかった」とかそういう風には絶対思ってほしくないですし事件のことを絶対忘れてもらっては困りますし母のことを絶対忘れないでほしいと思います」