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裏山が危険で建て替えも叶わず…輪島市で民宿を切り盛りしてきた親子 我が家無くなる前の“最後の墓参り”
先祖代々受け継がれてきた輪島市の「民宿のぼり屋」。その宿を切り盛りしてきた親子が きょう久しぶりに集落を訪れました。「いつかふるさとに帰りたい」。そう願い続けてきた親子の今は?
輪島市町野町で墓参りをしていたのは正村浩子さんとその母、桂子さんです。お盆に入る前に墓を訪れたのはある理由がありました。
浩子さん:
「この8月の終わりくらいから残念でさみしいが公費解体が始まる予定なんです」
曽々木海岸近くにあった「民宿のぼりや」。窓から見える景色が人気だったといいます。しかし、去年の能登半島地震で建物は半壊の判定を受け、解体することが決まりました。きょうは我が家が無くなる前、最後の墓参りだったのです。
記者:「どんなことを考えながら手を合わせた?」
桂子さん:「主人一人でお墓に入っているからさみしかったやろうなって」
今は輪島市の中心部で暮らす2人。裏山が崩れる危険があるためこの地で家を建て替えて暮らすこともできません。
桂子さん:
「やっぱりここで生まれ育ったから曽々木に帰りたい。やっぱり曽々木がいいです。でもそれは難しい。なかなかここには戻ってこられない。あきらめました」
「民宿のぼりや」の建物は 今月末から公費解体が始まる予定です。