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北陸では初めての出土…金沢市内の前方後方墳から『笠形木製品』死者を祀るため墳丘の周囲に立てられたか
金沢市内の遺跡で発掘された前方後方墳で笠のような形の木製品が出土しました。こうした「笠形木製品」が北陸で出土するのはこれが初めてです。
区画整理事業に伴って発掘調査が進められてきた金沢市大友(おおとも)1丁目の南新保ゴマヂマチ遺跡。
ここでは3つの古墳が発掘され、このうち、全長およそ34メートルの前方後方墳から出土したのが笠形の木製品です。
さらに、杭状の木製品も出土していて、笠形木製品と組み合わせる支柱だったとみられるということです。
金沢市 埋蔵文化財センター鏡百恵さん:
「実際に出土した笠形木製品を見ていただきますと風雨に長時間さらされて紫外線にさらされた環境というのが想定できます。つまり古墳の墳丘の周囲に実際に立てられた状況というのが考えられます」
亡くなった人をまつるために立てられたとみられる笠形木製品。
北陸で出土するのはこれが初めてでさらに、前方後方墳から出土するのは国内でも初めて。
木製品を前方後方墳に立てる祭祀が行われていたことが明らかとなった国内最古の事例で貴重な新発見だということです。
現地では27日一般向けの説明会が開かれ、発掘された古墳や出土した笠形木製品が公開されることになっています。
金沢市 埋蔵文化財センター鏡百恵さん:
「実際に現地を見ていただいて古墳の大きさを感じていただくとともに出土した笠形木製品。これが本当に古墳時代のお墓から出てきたんだということを感じていただきたい」