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奇跡の復活!「能登うなぎプレミアム」震災からの復興、そして金沢の料理人が紡ぎ出す夏の美食体験
稲垣アナ:
「波静かな夏の日本海志賀町西海千ノ浦に来ています。実はこちらで、ある魚の養殖が行われているんです。それがこちら名前は能登うなぎ。今回の食材はこのうなぎです」
石川県で唯一、うなぎの養殖を行っているこちらの養殖場。
フィリピン生まれのビカーラ種を9年前から「能登うなぎ」のブランド名で育てているのは、荒井道雄さんです。能登半島地震の影響で3000匹いたうなぎは、わずか500匹に。
いまの成長具合をみせていただくと…
稲垣アナ:
「寂しかったこの水槽にたくさんのウナギが戻ってきていますね」
荒井さん:
「1月に入れた幼魚を選別して大きくなったものを下にずらしました。大きいもので35センチ40センチです」
稲垣アナ:
「なるほど。なんか感慨深いなという気がしますけれども、ちなみに(地震から)1年半過ぎましたけれども、このうなぎというのは現状の状況としては出荷を含めてどんな感じになってますか?」
荒井さん:
「能登うなぎとして、ふるさと納税とか今まで出してたサイズなんですけど、まだもう少し足りなんですね。今年の土曜の丑の日。(7月)19日、31日と2回あるんですけどそれにはちょっと間に合わないという状況ですね」
今まさに成長中の能登うなぎ。ビカーラ種は二ホンウナギと違い肉や皮が厚いのが特徴。ただ、普通に育てると臭みがあるためここでは生育環境にこだわります。七尾湾のカキ殻を使うことで綺麗な水質環境を実現。発育状況に合わせて温度調整や水槽を変えるなどしてストレスをなくし、臭みがないウナギに育ちます。
稲垣アナ:
「前はここに、地震を生き延びた大きなウナギたちがいたじゃないですか?」
荒井さん:
「500グラム以上は能登うなぎプレミアムという名前つけているんですけど、正直1キロ超えちゃってて。それが結構いたんですけど去年1年と5月くらいに料理人さんに好評受けてほとんど出ちゃいました」
稲垣アナ:
「そうなんですか?奇跡のうなぎが!確かにみなさんに食べていただくのが一つ本望でもありますから。もう残っていないですか?」
荒井さん:
「とりあえず、1尾だけは残してあります」
重さ1キロを超える能登うなぎプレミアムとは?
荒井さん:
「これが1尾だけ残してある能登うなぎプレミアムです」
稲垣アナ:
「うわーこれは大きいですね。さっきのと全く大きさが違いますね。すごい迫力やー。まさにうなぎ界の横綱、大の里や~!!」
荒井さん:
「今、金沢の方でかなざわ吟さんという和食のお店が取り扱っていますので、そちらで食べられると思います」
能登うなぎプレミアムを扱っているのは金沢市で魚の炭焼きを中心に提供しているこちらのお店。
北野さん:
「やはり皮のパリッとした仕上がりになるのと身の厚さによるうまみ。あと臭みの無さ。こういったところが魅力だと思います。おすすめはやっぱり白焼きだと思いますね。ただ今回は夏らしさというところも季節的なところでありますので、トマトだしのジュレを一緒に添えて召し上がっていただけたらなと思います」
まずは白焼きから。こちらのお店では、能登うなぎをさばいた後、冷凍し、味を熟成させてから使っています。火力が強い備長炭を使い、高温でパリッと10分間焼いていきます。
続いては、トマトだしのジュレ。トマトは地震と豪雨から復活した輪島市上田農園のフルーツトマトです。ミキサーにトマトと珠洲の塩を入れて混ぜ合わせます。これに、魚醤のいしるとゼラチンを入れます。最後に冷やし固めれば、トマトだしのジュレが完成です。爽やかで夏にぴったりの一品ができあがりました。
稲垣アナ:
「皮がもうほんとにキラキラしている。皮の部厚さ見えますか?おいしー!うまーい。今聞こえました。皮のパリパリパリという音。普通のウナギでは、絶対に聞こえない音ですよね。これこそが皮のうまさを生かしたそのおいしさを知り尽くしたこちらのお店だからこその焼き方なんですよね。さらに身がふわふわで脂も乗って、ご主人うまいですね!」
北野さん:
「臭みのないということろも生育環境から来ていると思いますし、それがこのうまみをダイレクトに伝えるということの理由の一番になっていると思います。この時期から8月末当たりまでおいしいトマトが届きますので、それに合わせて提供しているということです」
稲垣アナ:
「初体験すぎる。ジュレがものすごい上にからむ。キラキラしているぞ。いただきます。あーおいしい。うまい。なにこれ。まずトマトの爽やかな酸味ですか。さらにここをうまく引き立てるようにだしがいいの効いてますよね。どういうアイデアでこれ考えられたんですか?」
北野さん:
「やっぱり夏場暑くなってきますんで、それに酸味を少し足したいなというところから得たアイデアでございます」
稲垣アナ:
「ある程度たってもパリパリ感が残っているのは、どういうことなんですか?」
北野さん:
「この能登ウナギの皮が2層になっているんですけど、他の二ホンウナギと比べると厚さ。プラスにもマイナスにもなると思うんですけど、しっかり仕込みをして焼き上げれば時間が経ってもパリパリを維持しているということです」
稲垣アナ:
「ものすごくおいしいという評判の能登ウナギですけど、どんな方にどのように食べていただきたいと思っていますか?」
北野さん:
「能登ウナギさんも頑張って復興している最中ですから、応援していきたいと思っていますし、いち早い復興といろんな方に食べれる環境というのを僕は待ち望んでいますし、それに向けて努力していきたいと思っております」