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小松市の陶芸家・中田一於さん 人間国宝に認定へ 銀箔使った九谷焼の装飾技法「釉裏銀彩」などが高い評価
国の重要無形文化財保持者いわゆる人間国宝に小松市の陶芸家中田一於(なかだ かずお)さんが認定される見通しとなりました。
小松市の陶芸家中田一於さん(76)。
九谷焼の表面に銀箔を貼り釉薬を重ねて装飾する技法「釉裏銀彩(ゆうりぎんさい)」を得意としています。
中田一於さん:
「(陶器に)色がついているんだけど下の箔の模様が透けて見える。これきれいだなと思って」
薄い銀箔を貼り重ねることで光りの濃淡を表現。
その上から青や白の釉薬をかける中田さんの作品。銀の輝きはそのままに柔らかく奥行きのある仕上がりです。変色しやすく、扱いの難しい銀と自ら調合した釉薬を組み合わせた中田さんの作品は銀の表現の幅を広げたとして高く評価されいます。
1967年、18歳の頃家業で100年以上の歴史がある中田錦苑窯に入った中田さん。30代の頃、誰もやったことがない表現がしたいと「釉裏銀彩」の技法を身に付けました。
中田さん:
「銀の清楚な感じに憧れてこういう色が僕にとっては現代の色かなと思ってやった」
その後、日本伝統工芸展を始め様々な展覧会で受賞を重ねました。
中田さん:
「(人間国宝の認定は)本当に嬉しいのと同時にずいぶん長く待ったという感じがするので本当に待ちに待ったという。正直なところそういう気持ち」
現在76歳の中田さん。今後も体力が続く限りは作品を作り続けたいと話します。
中田さん:
「一応は80歳までにはなんとか残せる今の思いも、作品に込めたものも含めてどういうものができるかなと作品を作って発表していきたいと思っています」
県内で人間国宝に認定されるのは11人目となります。