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「被災地の前向きな姿勢をカメラを通して見せたい」のと鉄道の社員がアマチュアカメラマンとしても活躍

北陸中日新聞の記者が取材した記事を紹介する記者の目のコーナーです。今回紹介するのは9日の朝刊に掲載された記事です。

のと鉄道の震災語り部観光列車で語り部を務める坂本藍さんがアマチュアカメラマンとしても精力的に活動をしています。東京都出身で20代後半に父の出身地である輪島に移り住んだ坂本さん。能登半島地震では自宅が一部損壊となり避難所で半年間生活しました。見慣れた地域がどう変わったのか記録しようと去年2月から趣味だった写真撮影を再開し各地の様子を取材しています。

この記事を書いた北陸中日新聞、穴水通信部山谷柾裕記者とお伝えします。坂本さんはいつから写真撮影を始めたのでしょうか?

山谷記者:
きっかけは星空をしっかりした機材でとりたいと思ったからだそうです。2015年にのと鉄道に入社するとさまざまな写真を頼まれるようになり「よそ者の私だけど写真をとっていく中で地域との距離が近づいていった」と話しています。

実際に坂本さんの写真はどのような所で使われているのですか?

山谷記者:
震災語り部観光列車で説明に使うパネルやパンフレットに使われています。「被災してもなお美しき能登」と題した見開きページでは11枚中10枚が坂本さんの作品です。のと鉄道では写真の提供依頼があった場合大体、坂本さんがとった写真を提供していて総務省統計局が発行した「日本の統計2025」の表紙は坂本さんが撮影した能登鹿島駅の桜の写真です。

のと鉄道にとっても坂本さんの写真の腕は頼りにされているんですね。

山谷記者:
中田哲也社長は「趣味の枠を超えて被災地の変化を乗客に伝えるスキルとして写真を活かしていることを頼もしく思っている」と話しています。坂本さんに写真を撮る思いについて聞きました。

坂本さん:
「各地の地震の影響や現在の前向きな姿勢をカメラを通して見ていけたらいいなと思いながら巡っています。」

こうして、記録をしていくということが大切なんですね。

山谷記者:
語り部列車の累計乗客数は去年9月からの約10カ月間で8000人。特に今年度は3カ月間で5000人以上が利用しています。復興元年を掲げる能登を引っ張る1人として坂本さんの活躍は欠かせないと思います。

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