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ボランティアも後押し…能登町『あばれ祭り』に全ての町会からキリコが登場 多くの応援を背に住民が一つに
先週末、2日間にわたって行われた能登町のあばれ祭り。今年は全ての町会からキリコが登場し町は熱気に包まれました。今回、2年ぶりに祭りに参加した町会の思いを取材しました。
男たちが神輿を激しく壊す祭り。先週末、能登町宇出津で開かれた「あばれ祭」です。能登町宇出津。能登で最も早く開かれる夏祭りあばれ祭りの舞台です。去年、祭りは開かれたもののキリコを担ぐ人出が足らず参加を断念した町会もありました。
仙人町もその一つ。町会長の室谷幸雄さんです。
室谷町会長:
ここも2軒あったのが更地です。ここ2軒残るだけここもあのバツあるでしょ。
あの家は全部解体する印です。
仙人町では能登半島地震の影響で多くの住民が地元を離れ、およそ50世帯から3分の1ほどに減少しました。
室谷さん:
去年はこういう状態だったから(キリコ)出そうとしても出せなかったんです。
辛かったですよ…辛かった
参加を諦めた理由は十分な人手が集まらないことの他にも…。
室谷さん:
(去年は)気持ちがもう先に沈んじゃって(住民は)怖い、やりたくないというのがあって、これじゃあやっても無理だなって。
しかし、今年は支援団体の力を借りながら町のキリコを動かすことを決めました。
室谷さん:
2年(キリコ)出さなかったらもうだめだと。今年は無理してでも出そうと。
祭りの前日。町内には住民たちが集まり2年ぶりに祭りの準備が行われました。
住民は:
なんか懐かしい、懐かしいというか嬉しいですね。
みんな祭りをしたいと言っていたので。
この日、住民のほか祭りの支援団体から10人ほどの助っ人が参加し、住民とともにキリコを組み立てます。
およそ2時間かけて仙人町のキリコが完成。
高さおよそ5メートルのキリコが町内にそびえたちました。
室谷さん:
ワクワクです。うれしいですね。きょうみんな参加した一つの皆さんの思いが今完成したあと2日間にむけて。あばれますよ。
翌日。
仙人町には、この祭りのため地元に戻ってきた住民たちや祭りの助っ人が集まりました。
室谷さん:ワクワクします。みんなそうです。ワクワク
きょうとあすでこの喜びをぶつけたい
住民や助っ人などおよそ40人がキリコを担ぎ、2年ぶりに仙人町のキリコが宇出津の町を練り歩きました。
今年のあばれ祭りは36全ての町会が祭りに参加。担ぎ手が不足する横町には県が募集するボランティア「祭りお助け隊」も参加し再開を後押ししました。
大阪から参加したボランティアは:
災害ボランティアに参加して今回募集があったので参加しました。
Q担いでみてどうですか?
重いです。重いですけどやりがいというか担いでる気分が嬉しいです
午後8時。広場のたいまつを目指し港からキリコが動き出します。
加藤葵アナウンサー:
火のついた大たいまつの周りを各町のキリコが乱舞しています。
今年は全ての町が参加することが出来ました。2年ぶりの完全復活です。
激しく燃えるたいまつの火の粉が舞うなか勇壮に舞うキリコ。
地元の住民は:
なかなか仮設にいるとなかなか来られなくて、どうしようかなと思ったけど見に来られて良かった。
能登に住む工事関係者は:
去年は法被貸していただいて担がせてもらったけど、自分の中ではすごい楽しかったのでまたやっぱり参加したい。このお祭り無くして欲しくないですよね。
2日間にわたって盛大に行われたあばれ祭り。
多くの応援を背に住民たちが思いを一つに祭りを成し遂げました。
室谷さん:
本当に嬉しいこの一言人数を集めて続けていきたい。
これを絶やしたらだめこの祭りは絶やしたらだめ。
皆さんが参加して楽しんでずっと続けていくことがこの祭りの意義だと思う。