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金沢の地で能登の人達の想いを…百万石行列のフィナーレに『キリコ』珠洲市の高校生「楽しむ心を忘れない」
利家公役の石原良純さん、お松の方役の北乃きいさんなどに大きな声援が送られた百万石行列。そんな行列の最後尾を飾ったのは、珠洲市の高校生たちが担ぐ能登のキリコでした。
利家公役・石原良純さん:
いざ、出立じゃー!
7日、およそ41万人の観衆を沸かせた百万石行列。金沢の初夏を彩りました。そんな百万石行列のフィナーレを飾ったのは珠洲市の飯田高校の生徒たちが担ぐキリコ。
もとは珠洲市蛸島町の祭りで使われていたものでした。
秋に開かれるキリコ祭り。
町の人たちが一つになって盛り上がる大切な催しです。
しかし去年元日…能登半島地震が発生。
地域のキリコや倉庫にも大きな被害が出ました。
祭りを途絶えさせてはいけないと立ち上がったのが飯田高校の生徒たち。
1基のキリコを譲り受け自分たちの手で修復しました。
そして今回、金沢市から打診があり百万石行列への参加が決まったのです。
責任者・川渕咲さん(3年):
能登は地震からまだ復興段階だということを忘れないでほしいというのと自分たちも今、頑張っているのを伝えたいです
搬入百万石行列当日の午前9時。
珠洲からおよそ140キロ離れた金沢にキリコが到着しました。
生徒たちは蛸島町の人たちにも協力してもらいキリコを組み立てます。
蛸島町新町 木挽芳紀区長:
「(行列の参加)聞いてびっくりしました。ど派手になりました。子どもたちが伝承していっていただくということでつながったのかなと思います」
そしていよいよ本番。行列のフィナーレを飾ります。
金沢の町に響き渡る威勢の良い掛け声。
沿道を埋め尽くす人たちも一つになって盛り上がります。
珠洲で被災し今は金沢を往復しているという女性。
地震前はキリコに字を書いていたこともあり祭りへの思いが溢れます。
珠洲からきた女性:
本当に感動しました。盛り上げてくれて本当にありがとう
今回キリコに刻まれたのは「隨處楽(ずいしょらく)」という文字。
高校生たちが選んだ言葉です。
責任者・川渕咲さん(3年):
どんな場所、どんな境遇においても楽しむ心を忘れないという意味が込められていて能登半島地震を受けた自分たちにピッタリだなと思ったのでこの字を選びました。百万石であったり地震だったりどんな環境でも祭りを楽しみたいなと思う。きつくても楽しくて祭りは楽しいなって改めて思います。最高です
能登の人たちにとってなくてはならない祭り。
祭りにかける熱い思いが金沢の地に広がった一日でした。