舞台は金沢市にある食堂「ご飯処かどや」。
看板メニューはレンコンを使ったお好み焼き「かどやき」です。

店を切り盛りするのは、加藤純子さん。いつもケラケラ笑っています。
そんな純子さんが愛する夫、悦晶（よしあき）さん。
悦晶さんは、５３歳の時、多系統萎縮症という難病にかかり、現在は寝たきりで、入院中。

かどやは、悦晶さんが入院してから純子さんが1人で始めました。
コロナ禍で、純子さんが悦晶さんに会えるのは、2週間に1度のリモート面会のみ。直接会って、肌のぬくもりを感じることも、心の内を話すことも、ずっとできないままです。
画面の向こうの僅かな目の動きで悦晶さんとコミュニケーションをとることが純子さんの励みになっています。
SNSではいつも、「お父さん、きょうの体調はどうでしたか？」と話しかけ、掃除のときは夫の長靴を履きます。
自分が頑張っている姿を見せれば、夫に安心してもらえる。夫にいい報告をしたい一心で、懸命に生きる純子さん。

一方、多系統萎縮症の妻の介護を献身的に続けてきた木村隆さん。
去年、妻が亡くなり、もっとやさしくすればよかったと後悔しつつ、妻と築いた庭の手入れに没頭することで寂しさを紛らわします。

相手を思う優しさにあふれる夫婦愛の物語。