
石川テレビニュース
ISHIKAWA TV NEWS
石川県内ニュース
「色が塗られていない場所だからといって安心ではない」ハザードマップの落とし穴を金沢大学准教授が解説
発生から2年を迎えた奥能登豪雨。金沢大学の青木達人准教授は、この災害の教訓として「日頃からの備えの大切さを改めて感じた」と語る。
一昨年の奥能登豪雨では、輪島市宅田町にある仮設住宅団地でも大規模な浸水被害が発生した。この仮設住宅は、もともと浸水想定区域の中に建てられたものだった。
「奥能登は土地が少ないということもありまして、浸水想定区域の中に多くの仮設住宅が建っているというような状況になっております。それで、逃げ遅れてしまった方も非常に多く出てしまったというような結果になってしまいました」
水害への備えとして、青木准教授が真っ先に訴えるのがハザードマップの確認だ。
「水害は逃げるということがとても大切ですので、まずは自分が危険な箇所に住んでいるかどうかということをハザードマップで確認していただくということがとても大切になってきます」
奥能登豪雨から2年が経ち、各地で復興公営住宅が完成してきている。これまで住んでいた場所とは異なる場所に移る人も多くなると予想される中、青木准教授は「引っ越した先の、新しく住まわれる場所がどのような危険箇所になっているのかどうかということを、ハザードマップを通して改めて確認していただきたい」と強調する。
解説に使われたのは、県のホームページで公開されている「洪水浸水想定区域図」だ。この想定結果に基づいて、県内の各市町がハザードマップを作成している。
先月27日の大雨で大規模な浸水が起きた羽咋市の邑知潟周辺の浸水想定区域図では、浸水被害がどれくらい継続するかが色分けで示されており、オレンジ色の部分は「72時間から1週間程度」浸水が続くことを示している。実際に羽咋市の邑知潟周辺では、1週間以上浸水が続く状態となった。
ハザードマップを読む上で見落としがちな「落とし穴」がある。それが、色が付いていない区域の扱いだ。
河原田川の浸水想定区域図では、宅田地区の仮設住宅が建っている場所がしっかりと色付けされており、浸水想定区域内だったことが確認できる。さらに地図を上流に向かって辿っていくと、ある地点で色がプツッと途切れている箇所があることに気づく。
「ここから上流側、色塗られてないんですけども、浸水の恐れや、河原が削られる恐れがないというわけではなくて、この矢印のところまでしか計算対象に入ってない。ここから先は想定がない、ということになります」
つまり、「色が塗られていないこと」は「安全である」を意味するのではなく、「計算対象に含まれていない」だけだということだ。
色のない区域に住んでいる場合の判断基準について、青木准教授はこう説明する。
「下流側がどうなっているか、周りがどうなっているかということを見ていただいて、自分がお住まいになっているところが、例えば似たような土地の地形の条件だったりとか、同じような地面の高さであれば、浸水する恐れがあるということになります。ハザードマップに書かれている内容よりも、少し広く浸水する、少し深く浸水するというふうに、プラスアルファをしていただいて、読んでいただくと良いかなというふうに思います」
一人でハザードマップを読み解くのは難しいという声もある。青木准教授は、地域コミュニティでの話し合いの場を設けることを勧める。
「新しく公営住宅のほうに移られた皆さんで、引っ越しされてきた皆さんを含めて、みんなで話し合う機会をぜひ持っていただきたいというふうに思いますし、その際に防災士の方ですとか、市町の担当者の方ですとかを呼んでいただいて、説明していただくというのも1つ良い方法かなというふうに思います」
また、奥能登2市2町と鹿町では、能登半島地震後に県が進めてきた浸水想定の見直しを受け、新しい洪水ハザードマップを策定する計画が進んでいる。発表時期の予定は、珠洲市が2028年度、輪島市が今年度中、穴水町が来年度以降、能登町と志賀町が来年度春となっている。
奥能登以外の地域に住む人にとっても、ハザードマップの確認は欠かせない。
「各市町のホームページを見ていただきますと、それぞれの地域の浸水想定が分かるようになっております。ぜひ1度、市町のホームページを開いていただいて、ハザードマップをご確認いただきたいというふうに思います」