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「重蔵神社復興させましょうよ」画狂人・井上文太が輪島大祭で誓った約束
能登を代表する夏祭りの一つ、輪島市の「輪島大祭」。今回、ある画家がこの祭りに合わせて輪島を訪れました。彼の目的は?そして祭りを通して彼が感じたものとは?
輪島市の重蔵神社。キリコが集い、人々が太鼓を打ち鳴らす様はまさに「熱狂」の一言です。その熱狂のど真ん中で祭りを見つめるアーティストがいました。画家の井上文太さんです。
自らを画狂人と呼ぶ、井上さんは、大阪府出身。現在は千葉県館山市にアトリエを構えています。日本画、洋画などのジャンルにとらわれない変幻自在の作風で活躍し、去年の大阪・関西万博ではインドネシアパビリオンの芸術監修を務めました。
さらに被災地の復興活動にも力を注ぎ、去年は熊本県の加藤神社に国内最大級の天井画を奉納しました。そんな井上さんの思いは、もちろん能登半島地震の被災地にも向いていました。
井上さん・おととしのインタビュー:
「今後能登とはずっと一緒にやっていきたいので。全力で描かせて頂きますので、それがメッセージになればいいかなと」
おととし石川テレビが開催したイベントで能登の復興を願い、龍の絵をライブパフォーマンスで描きました。そして今回、完成した絵を奉納するため、重蔵神社を訪れたのです。
重蔵神社 能登亜由子禰宜:
「すごい…」
石川県を昇り龍に見立てた力強い一作です。
井上文太さん:
「【Shining Noto Ishikawa】ということで、『石川が龍と共に起きますように』という祈りで描いたんですけど」
能登亜由子禰宜:
「能登半島は昔から『龍の頭』で、この重蔵神社は『龍の眼』の位置に当たるというので…」
これは重蔵神社の御朱印です。古来から輪島は龍の眼にあたり、特に運気が良いと言われる土地と言われてきました。しかし、能登半島地震で重蔵神社は鳥居の上部が破損。全壊した社務所は解体され、更地となっています。シンボルである拝殿も全壊判定。地震から2年半経ってようやく修復のための調査が始まった段階です。
今回、井上さんは特別に拝殿の奥にある本殿を見せてもらいました。
井上文太さん:
「色々な神社に絵の奉納をさせて頂いているので、『ずっと支援をやりたいかやりたくないか』というのはあるんですけど、この神社は残したいですね、本当に…」
井上文太さん:
「27日はここですけど、社務所が出来上がった時には…」
能登亜由子禰宜:
「社務所か、もしくは拝殿のほうが皆さん見て頂けると思うので」
井上文太さん:
「その時は、こっちに鳳凰も描いていいですか?」
能登亜由子禰宜:
「えっ、本当ですか!」
井上文太さん:
「これはライブペインティングですから」
「龍眼」の神社に奉納された「昇龍」の絵に、能登禰宜も希望を感じています。
能登亜由子禰宜:
「震災・水害ありましたけど、この昇龍のごとく、また復興に向けて皆で頑張って、新しい能登と輪島に繋がればいいなとすごく思いました」
氏子:
「すげえ」
「早く拝殿ができればいいんだけど。それまでに、今日は天気もいいのでお祭りが無事に終われるように…頑張ります」
この日は、輪島大祭2日目。重蔵神社の夏祭りです。今年は地震以来初めて祭りのクライマックスを飾る大たいまつが立てられました。
また、重蔵神社の参道は朝市通りに繋がっています。大規模火災のあった朝市通り周辺の本町九区では、今年も3本のキリコが。参加者は住民に加え、祭りの趣旨に賛同し応援に駆け付けた学生など130人余りまで増えました。今年の町流しでは、本町で初めて店を再建する廣瀬屋漆器店の前で祝い太鼓も披露。氏子達も一歩ずつ、前へ進んでいます。
午後7時前。神輿が重蔵神社を出発。20基のキリコが後に続きます。井上さんは、その様子を次々と写真に収めていました。
まんなか商店街キリコ責任者・天野和剛さん:
「色んな方々のおかげでこの祭りがあると思うので、本当に感謝しかないです。皆の思いが詰まった祭りだと思うので、これをずっと繋いでいくことが大事だなと思っています」
井上文太さん:
「何だか嬉しいですね。日本ってこうやって繋がっていくんだと思うと…僕らも協力するんで」
天野和剛さん:
「はい、宜しくお願いします」
この日を待ちわびたとばかりに乱舞するキリコ。祭人達の情熱がほとばしります。クライマックスは、大たいまつの神事。縄につけた火種が引き上げられ、たいまつが炎に包まれます。このたいまつに付けられた御幣の奪い合いで祭りはピークに達します。
井上文太さん:
「2年前にあれだけ被災したのに、こういう元気というのは、色んな地方の人たちも勇気をもらえると思いますよ。能登の人が復興することが日本の復興だと思うので」
稲垣真一アナウンサー:
「井上さん、色々な形でもし良かったら能登にも関わって頂いて、色んな部分で復興について全国や世界に伝えていってください」
井上文太さん:
「分かりました、僕にできることは何でもしますので…重蔵神社復興させましょうよ」
輪島に脈々と受け継がれてきた祭りの遺伝子を感じた井上さん。新たな作品のイメージがありありと浮かんでいるようでした。