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被災地ならではの理由が…珠洲市長選で仮設住宅敷地内での活動に“制限” 専門家「配慮と公平性の両立を」
5月に行われた珠洲市長選挙。珠洲市選挙管理委員会は仮設住宅の敷地内での選挙運動を控えるよう候補者に伝えていたことが分かりました。なぜ選挙運動に制限がかけられたのか、そこには被災地ならではの理由がありました。
現職の泉谷満寿裕候補と前珠洲市議で新人の浦秀一候補の一騎打ちとなった珠洲市長選挙。結果は4270票を獲得した泉谷氏が6回目の当選を果たしました。
しかしこの選挙では、仮設住宅の敷地内での選挙運動が制限されていたことがわかりました。
仮設住宅で暮らす住民:
「なんで入ってこないのかなとは思っていたけど。」
「県ではOKということで、珠洲ルールってあるんですかって聞きたいです。衆議院議員選挙のときも、県知事選挙のときも、そのときは普通に入ってたので」
住民によりますと、今年2月に行われた衆議院議員選挙や3月の知事選では候補者は敷地内で選挙活動を行っていたと言います。
知事選を管理執行した県選挙管理委員会に話を聞きました。
県選挙管理委員会・岩浜善之書記次長:
「法律の中では仮設住宅の敷地の中でありましても選挙運動については特段制限はございません」
県選挙管理委員会によりますと、公職選挙法により、県や市町が所有する公営施設の中は選挙運動が禁止されています。
ただし、建物の外の敷地については禁止されていません。
さらにこの規定には公営住宅は含まれておらず公営住宅に準ずる仮設住宅は建物の中や敷地での選挙運動が可能だということです。
なぜ珠洲市長選では仮設住宅での選挙運動ができなかったのか。
珠洲市選挙管理委員会は…
珠洲市選挙管理委員会事務局・端根優子書記長:
「運動場にある仮設住宅で当たり前に選挙運動されますと、学校の付近では音量絞ってという制限と相反するものになりますので、そこを考慮してお願いしました」
仮設の外観と珠洲市選管珠洲市内は平地が少ないため45箇所の仮設住宅のうち10箇所が小中学校の敷地内に建てられています。
珠洲市選挙管理委員会は公職選挙法に学校や病院などの近くで大きな音を出さないよう求める規定があることや、敷地が狭い仮設住宅が多く選挙カーの出入りが住民の負担になることなどに配慮したと説明しました。
また衆院選や知事選では候補者が珠洲市内で選挙運動を行ったのが1日ほどだったのに対し、珠洲市長選の場合、7日間に及ぶことから影響が大きいと判断したとしました。
珠洲市内で暮らす住民の数は約8500人。珠洲市長選のときはこのうち約3分の1にあたる2800人前後が仮設住宅に暮らしていました。
被災地ならではの事情で制限された選挙運動について専門家は…
拓殖大学 丹羽文生 教授(政治学):
「候補者と有権者が接触する機会が大きく減少してしまうという可能性だってあるわけですよ。しかも前回の知事選ではそういった制限がなかったということを踏まえますと選挙ごとに異なる運用が行われるというのは公平性への疑念を生む恐れもあると思うんです」
拓殖大学の丹羽教授は当落を決定づけたとは断言できないものの選挙結果に影響を与えた可能性はあると述べました。
来年春に予定されている県議選と珠洲市議選への課題については…
丹羽教授:
「能登という被災地であるという特殊事情を抱えたからゆえの対応だったのではないかなと思います。被災者への配慮と選挙の公平性をいかにして両立させていくか。その具体的なルール作りが大きな課題になるのではないかなと感じます」