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国内初確認…アルツハイマー病の新治療薬『ドナネマブ』1年間投与された患者の脳内で原因物質が除去される

金沢大学はきょう、新たなアルツハイマー病治療薬「ドナネマブ」の投与により
患者の脳内でアルツハイマー病の原因物質が除去されたことを
国内で初めて確認しました。

★金沢大学 脳神経内科学 小野賢二郎教授
「(治療を)1年間頑張ってやって頂いて、今回プラーク(原因物質)の除去が確認されたということで『投与完了』になるんですね」「これ(治療確認証)をお渡ししますので…」
★患者「すみません、後でじっくり家で読みます。ありがとうございます」

診察室に響く拍手と、涙する家族。
アルツハイマー病治療薬ドナネマブの『投与』が国内で初めて完了しました。

★金沢大学 脳神経内科学 小野賢二郎教授
「じゃ、開始しますね」

ドナネマブは、アメリカの製薬大手、
イーライリリー社が開発したアルツハイマー病治療薬です。
去年11月末、国内で初めて金沢大学附属病院で軽度認知障害と診断された
白山市に住む70代の女性へ投与されました。

★患者「新しいお薬使って体がよくなればうれしい」

その後この患者は、1カ月に一度のペースで薬の投与を受け、
初めての投与からちょうど1年となる先月29日に
治療の効果を確かめる脳の画像検査を受けました。
すると…画像に顕著な変化が。

★金沢大学 脳神経内科学 小野賢二郎教授
「投与前の方は、大脳皮質と言われているところが赤いんですよね」

治療に当たったアルツハイマー病治療薬研究の第一人者、
小野賢二郎(おのけんじろう)教授です。
画像で赤く見えている部分は、アルツハイマー病を引き起こす原因物質と言われているタンパク質「アミロイドβ」が多く蓄積している場所です。
それが最新画像では…明らかに消えています

★金沢大学 脳神経内科学 小野賢二郎教授
「実際の数値でみても(基準値より)マイナスということで、核医学の専門の先生に見て頂いても『除去を確認』というお墨付きを頂いたと…」
「見事に消えていたということで投与完了とご説明を差し上げた」

投与完了を伝えられた患者は…

★患者
「やっぱり変わった病気で怖いなという気も少しあったんですけど…
でもこうやって話を聞くとちょっと安心しました、正直なところ」

★患者の家族
「不安でした、ずっと…(薬が)聞かなかったらどうしようという不安もあったし…いい結果が出て、すごくよかったなって…安心しています」

小野教授は…
★金沢大学 脳神経内科学 小野賢二郎教授
「この方には上手くいったけれども全ての方にドナネマブが効くわけではないし、
他にもレカネマブという治療薬があってその薬が効く方もいらっしゃるので、
今後どういった方にどちらの薬がいいか、あるいは新しく出てくる治療薬がいいのか、そういったことを今後さらに明らかにして、
オーダーメイド出来る診療につなげていきたいと考えています」

★スタジオ稲垣アナ
「改めてアルツハイマー病治療薬についておさらいます。
現在国内で認可されているのは「レカネマブ」「ドナネマブ」の2種類の治療薬で、
いずれも「アルツハイマー病の原因物質を除去することで認知症の進行を遅らせる」薬であり、「認知症が感知する薬ではない」ことを確認しておく必要があります」
「小野教授はこの患者の認知機能については「ほぼ現状維持であるが、本人から
『散歩に出かけるようになった』『前向きに考えられるようになった』などの言葉が出ている」と話し、「こうした日常生活の変化が患者や家族を勇気付ける」と話しました」
「金沢大学附属病院では、この患者を今後数カ月おきに経過観察するということです」

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