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今も地震の復旧工事続く…七尾市の一本杉通りで2年ぶりの『花嫁のれん展』持ち主による解説でさらに趣深く
婚礼の儀式として加賀藩の時代から現在まで代々伝わる「花嫁のれん」。そんな花嫁のれんを展示するイベントが2年ぶりに七尾市で開かれています。
花嫁のれん展実行委員長 鳥居正子さん:
「第19回花嫁のれん展を開催します」
4月29日から七尾市の一本杉(いっぽんすぎ)通りで始まったのは毎年ゴールデンウィークにあわせて開かれる花嫁のれん展です。「花嫁のれん」は加賀藩が治めていた能登や加賀などに伝わる嫁入り道具の一つで花嫁が嫁ぎ先の仏間にかけた暖簾をくぐることで先祖に挨拶をするという意味が込められています。「花嫁のれん展」はそんな暖簾を多くの人に見てもらい町おこしにつなげようと2004年から開かれています。
しかし、去年は能登半島地震で会場の一本杉通りに大きな被害が出たため中止に。今回2年ぶりの開催となりました。
展示場所は10カ所以上減って38カ所に、展示される暖簾もおよそ50枚減り100枚ほどです。
「高澤(たかざわ)ろうそく店」は例年とは違う形での展示になったといいます。
高澤ろうそく店 高澤久代表取締役:
「こちらに来て初めての花嫁のれん展ですからまずはどこに飾ろうかなと勝手がわからない中で最初は戸惑いました」
高澤ろうそく店は地震の影響で店が全壊したため現在は空き家となっていた場所で仮店舗を開き営業しています。その結果、暖簾を飾るスペースが限られてしまったため2枚を選んで飾ることにしました。
高澤ろうそく店 高澤久代表取締役:
「どの暖簾を飾ろうかという時に1枚は私の祖母が嫁いでくるときに持ってきた大正時代のものを飾ってもう一つは私の妻の時の暖簾を奥に飾りました。お客様がお店に入ってきたときにパッと目につくようにという形でぎりぎりまで考えました」
そんな花嫁のれん展の最大の特徴はただ暖簾を飾るだけではなく持ち主から暖簾にまつわる話を聞けること。暖簾にまつわる様々な人の思いを知ることでより深く展示を楽しむことができます。
高澤ろうそく店 従業員:
「両親に大事にされて守られているんだなって」
東京からの観光客:
「(話を聞くと)どういう思いで嫁にやったのかがわかったし長年にわたった一つの文化だと思います」
花嫁のれん展は4月29日から母の日の5月11日まで開かれています。