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能登半島地震から文化財を救う「文化財レスキュー」とは?山の寺寺院群で宝物を救出

能登半島地震は多くの文化財にも被害を与えています。いま、国や県は専門家を集め文化財を救出する活動「文化財レスキュー」を行っています。その活動を取材しました。

「仏さんないですかね?上のほう…」
「ある、いっぱいある」

天井裏から次々と運び出される仏像。

七尾市にある實相寺(じっそうじ)は今回の地震で江戸時代に建てられた本堂や山門などに大きな被害を受けました。

寺は倒壊の危険がありますが、この中には多くの宝物が…

たとえば、この寺で祀られていた加藤清正(かとう きよまさ)公の像。

学芸員:
「これは腕が一部欠損していますが…」
寺の関係者:
「地震の影響で…」
専門家:
「あ、ここに(折れた腕が)乗っていますね」
寺の関係者:
「もともとはそんなことなかったんですけど…」

いま、国や県はこうした貴重な文化財を別の場所に運び出す「文化財レスキュー」を行っています。

實相寺にある文化財は仏像や掛け軸など約300点。

住職:
「これ七面さん(七面天女)、これやっぱり地震で破損したと思います」
学芸員:
「(接着剤として)にかわがついていたのが揺れで取れたので、にかわをつけなおせば多分くっつく。割れたというよりは元々こういった形でつないで作られていたものですね」
住職:「「立正大師号」といって日蓮上人が、いわゆる宮内庁から大師号を授かったという(文書)かなり古いものなんです」
「氣多大明神様、氣多大社の神様ということです」
住職:
「これは小塚内匠助(加賀藩士)」
「初代のこの寺の檀家さま。このお寺を作ったお侍さんということになります」

七尾市教育委員会 学芸員北林雅康さん:
「きょうはあくまでも下見です。どういったものがどのような大きさで何個くらいあるかというのを事前にきちんと調査して、それに対してどういった梱包材が必要なのかとかトラックが何台必要なのかというのを調べて、後日また日程を調整して保管場所に持っていくというスケジュールになります」

専門家が次々と運び出し、県内の施設で一時的に保管するということです。

県によりますと、今回の地震で175の文化財に被害があるとみられ、救出の依頼はこれまでに120件寄せられているということです。

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