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校舎被災し山梨の系列校で練習…センバツ出場果たした航空石川・被災地の思い背負う球児の思い

3月18日から始まる春のセンバツ。

石川県からは秋の明治神宮野球大会で日本一となった星稜高校と航空石川の2校が出場します。

地震の影響で校舎に大きな被害を受け山梨で練習を続けた航空石川。

地元選手の思いに迫りました。

富士山を臨む山梨県。そこで、練習を続けているのが…

寳田一慧(ほうだいっけい)主将:
「気持ち入れてやっていこう」「おー!」

日本航空高校石川のナインです。

能登半島地震で輪島市の校舎は大きな被害を受けました。

建物には至るところにヒビが…。

敷地内には多くの自衛隊車両が並び、いまは復旧活動の拠点として使われています。

アナウンス:
「北信越地区は星稜高校、敦賀気比高校、日本航空石川・・・」

センバツ出場の報告を聞いたのは系列校がある山梨キャンパスでした。

寳田主将:
「仲間と一緒にやってきた。今まで本当にきついことを思い出したら涙が出てきました。」

中村監督:
「今も能登のほうにはやりたいこともできなかったり本当に苦しんでいる人は自分の周りにもいます。まだ避難所生活している人もたくさんいるのでそんな中でも少しでも元気な姿を一生懸命やっているところを選手たちには思い切ってやってほしいですしそういうところを少しでも届けられればと思います。」

4年ぶり3回目のセンバツ。

地震からおよそ1カ月たったこの日はようやく部員全員が集まりました。

寳田主将:
「久々にみんな集まって練習ができるということで楽しそうにやっていましたしこれからセンバツに向けてメンバー争いというのがあるのでチーム内でもしっかり競争できるようにみんな頑張っています。こうやって練習ができるのもたくさんの方々のおかげなのでそういう人たちにしっかりと感謝の気持ちを忘れずにこれからもやっていきたいです」

航空石川の投手陣でアピールを続けている選手がいます。

地元・七尾市出身の福森誠也(ふくもりせいや)投手です。

福森投手は輪島市にある祖母の家で被災。

地震後は一時、避難所で生活していました。

中村監督:
「彼はストレートが魅力のピッチャーで、特にインコースに思い切って投げ込めるというところがいい部分で、状態が秋から良くて力をつけてきたというところがありまして」

これまでベンチ入りしたことはありませんが、憧れの甲子園でメンバー入りを目指します。

3月。

中村監督:
「あしたは、山梨と試合です。」

福森くんにとってアピールの場が訪れました。

高校野球は冬の間、ケガを回避することや地域間の格差を解消するため練習試合などは禁止されています。その期間がようやく終わりました。

練習試合の初戦はお世話になった山梨の日本航空高校です。

航空石川の先発は左のエース1年生の猶明(ゆうめい)

久しぶりの実戦。

制球が定まらず2回に3つの四死球を与えて先制点を許します。

一方、航空石川の持ち味、強力打線は健在です。

5回には一挙7点を奪うなど打線が爆発しました。

そして7回。

アナウンス:
「航空石川、選手の交代をお知らせいたします。ピッチャーの福井君にかわりましてピッチャーは福森君。」

センバツのメンバー入りへ大事なマウンドです。

福森投手:
「変に硬くならずにいつも通りの投球をしようと思って試合に臨みました。」

持ち味のストレートを武器に簡単にツーアウトを奪います。

しかし…

タイムリーヒットを浴び2失点。

それでも2イニングを投げぬきました。

福森投手:
「自分的にはまだ納得いっていなくて、すごく課題がたくさん見つかる登板でした。点は取られてしまったんですけど、しっかりここというところで踏ん張れたところが自分的にはよかったかなと思います。」

中村監督の評価は・・・

中村監督:
「こちらから見ているとしっかりインコースに投げ込めていたので、非常に内容としては悪くなかったなと思っています。」
「福森はうちの部員の中でも本当に大変な思いをしたので、今日も彼の投げている姿に私自身も目頭があつくなって、彼には背負っているものがたくさんあるんだろうなと思いながら、それでも頑張る姿というのを見て、本当によく頑張っていると思います。福森だけではないんですけど、石川の方、輪島の方、少しでも力になれればと思っていますので、彼らが頑張っている姿を見て、私自身も、同じチーム、同じベンチにいますけど、下を向いてはいけないと思いながら、やらしてもらっています。」

被災地、奥能登の思いを背負って出場する航空石川ナイン。

センバツの組み合わせ抽選会は8日行われます。

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