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施設が対応していないケースも…71歳男性が身を寄せるペットOKの2次避難所 妻は避難生活で帰らぬ人に

能登半島地震では、愛犬や愛猫と共にどのように避難するかも一つの課題となっています。石川県獣医師会は、被災した犬や猫などのペットを県内の動物病院で最大1カ月にわたって一時的に預かる支援を始めました。

ペットも一緒に受け入れている避難所もありますが、受け皿不足が懸念されています。

県獣医師会は、1月15日から県内46の動物病院で一時的にペットを預かる支援をはじめました。

金沢市の「みやの動物病院」では最大で犬3匹、猫6匹を受け入れる態勢を整えています。

預かったペットは散歩をしたり、エサを与えたりと面倒を見るほか、健康状態が悪い場合は飼い主に相談した上で診察も行います。

みやの動物病院の宮野浩一郎院長:
「荷物の搬入であるとか、新しいお家を探すときにペットは一緒には中々いけない。私たちの目には見えないけど、ペットの調子が悪いのは地震のせいなのか、病気なのかというところも動物病院で預かることで様子が見れるというところもあります」

対象となるのは被災した住宅で飼育されていた犬、猫、ウサギ、小鳥で、最大30日間は無料で預けられます。

輪島市の滝又地区で暮らしていた中竜夫さん(71)は、地震で道路が寸断されて地域が孤立し、11日、自衛隊のヘリコプターで5歳になる柴犬「クロ」と共に救助されました。

今、中さんが身を寄せているのは、小松市の2次避難所で「湯快わんわんリゾート粟津」です。

館内には、飼い主と愛犬が気持ちよく過ごせるように、ドックランや犬専用のシャワー台が用意され、ペット連れの被災者7家族20人が2次避難先として身を寄せています。

ペットを連れての2次避難は、行き先のホテルや旅館が対応していないケースもあり、その受け皿不足が懸念されています。

中竜夫さん:
「避難するとき、わんこだめってそんなこともあってんけども、わんこ連れて避難しても大丈夫と連絡貰って嬉しかった。クロを守ってやろうと思ってその一心やった」

中さんにはクロを守りたい理由があります。犬が好きでクロの面倒をいつも見ていた妻の紀子さんが、避難生活のなかで帰らぬ人になりました。

中さん:
「避難生活がちょっと厳しかったんだろうと思う。寒いし、気も遣っただろうし」

ペットも大切な家族の一員。ホテル側も最大限受け入れ態勢を整えたいとしています。

湯快わんわんリゾート粟津の山下昌彦支配人:
「こういうような施設を認知していただいて、動物と一緒に避難するということがこれからも求められるというか、施設としては役割を果たせていけたらなと強く思っています」

長引く避難生活に伴う、様々なニーズに合わせた対応が求められています。

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