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「言い訳したくない」避難所手伝う受験生を密着 日中は水くみ、夜に勉強「自分の力を信じる」

あす(13日)は大学入学共通テストです。能登町の避難所で手伝いをしながら受験勉強をする高校3年生を取材しました。
地震によって水や電気などライフラインが寸断された能登町姫地区です。
約500人が暮らすこちらの地区では地震発生直後、区長らが中心となり「自主避難所」を立ち上げました。※現在は「避難所」として認定
住民が炊き出しをしたり、生活用水を川までくみに行ったりするなどして命をつないでいます。
避難所を手伝う一人が高校3年生の堂前和海さんです。堂前さんは受験生。今週末が共通テストです。
堂前和海(1月6日取材):
(Q.家はどんな感じ)
「壊れてないんですけど散らかった状態で」
(Q.ここで寝泊まりする理由は)
「特にないんですけど、すぐ動けるように」
(Q.どういう気持ちで)
「共通テストが近いんですけど、諦めるわけじゃないんですけど、最悪、受験は来年もできるんで、今できることをしっかりやろうかなと」
関西の大学へ進学を考えていますが、いまは避難所の運営を手伝っています。
堂前和海さん(1月6日取材):
(Q.勉強道具は)
「昨日は何冊かあったんですけど、きょうは一冊だけ参考書を持ってきている」
(Q.忙しくて勉強時間とれない)
「はい」
(Q.日中は手伝い)
「はい、夜にちょこっと(勉強)」
新型コロナの影響で制限もありましたが、野球部に所属し楽しい高校生活を送ってきました。
9日から始まる予定だった学校生活、最後の3学期は学校が被害を受け、まだ始まっていません。
停電が解消した8日からは、自宅で寝泊まりしていますが、日中は避難所の手伝いをし、食事もみんなと一緒にとります。
同じ高校に通う弟の歩海さんと父親の吉宏さんも受験を応援しています。
弟・歩海さん(1月9日取材):
「生活リズム変わってしまって心配だが受験頑張って欲しい。兄の分も避難所業務がんばってます」
父親・吉宏さん(10日取材):
「コロナもあり試練が2回。社会人になってもちょっとやそっとでは負けない根性になる。親としてはたくましく成長したな、うれしい」
試験まで1週間を切ったこの日、和海さんは最後の追い込みに入っていました。
堂前和海さん(10日取材):
「8時ぐらいに起きて昼までやって、夜11時ぐらいかな寝るのは。勉強してても(避難所のことが)気になるし、あんまり集中できていないかも…」
初詣で引いたおみくじは「大吉」。これをお守りにして試験に臨みます。
堂前和海さん(10日取材):
(Q.意気込みを)
「こういう活動はしろって言われたわけではないし、自分で選んでやったことなので、これは言い訳にしたくないし、目の前の問題を必死に解いて頑張りたい!」
あす(13日)共通テストに挑む和海さん。自分の力を信じ、前を向きます。