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「災害関連死を防げ」被災者に寄り添う医療班に密着 長引く避難生活…体調不良、感染症、ストレス
石川県内では215人の死者が確認され、災害関連死が6人増えています。いまだ2万2000人あまりが避難する中、災害関連死を防ぐため、医療救護班が各避難所を回っています。その活動に密着しました。
11日、七尾市中島町の避難所を訪れたのは、日本赤十字社の「医療救護班」です。
広島赤十字・原爆病院 岡野博史救急治療室長:
「どこか見てほしい方がいたら」
医師や看護師が避難所をまわり、体調や困りごとを聞いて回ります。
医師:
「3日に?」
診察を受けた女性:
「あったんですけどそれっきり。震災になってから1回しかないもんで」
こちらの女性は約1週間、便が出ていないと医師に相談しました。
医師:
「出ていないのは気になるので診察させて頂きたいんですが、よろしいですか」
医師は女性をその場に寝かせ、異常がないか入念に確認していきます。
医師:
「痛みないですか?」
診察を受けた女性:
「ないです」
診察を受けた女性:
「やっぱり診察受けると安心です。ありがたいですほんと、ありがたいです(涙)」
こちらの女性にもある悩みが…。
診察を受けた女性:
「この中がビリビリするの」
医師:
「頭の中が痺れる感じ?」
女性は地震が発生した後に、頭部に違和感を覚えたといいます。医師はその場ですぐに診察。
広島赤十字・原爆病院 岡野博史救急治療室長:
「グーパーグーパーして特にやりにくいとかはない?」
声をかけながら1つ1つ動作を確かめていきます。
広島赤十字・原爆病院 岡野博史救急治療室長:
「麻痺があったりとかはないから、あんまり心配しなくていいと思う。調子が悪い時はまた相談してね」
救護班の活動は診療だけではありません。
広島赤十字・原爆病院岡野博史 救急治療室長:
「例えば土足と上履きを分けているか、チェックしたり検温や、ここに消毒があって…」
感染症対策やトイレ回りの状況など避難所の”環境”についてチェックシートを使って調べ行政に報告をします。
広島赤十字・原爆病院 岡野博史救急治療室長:
「避難所の今キーワードは災害関連死。しっかり介入して環境改善の働きをやっていかないと、災害関連の問題が後から出てこないように整えていくのが大事かな」
いま避難所で最も懸念されるのはー?
日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院・第一救急科部長 稲田眞治医師:「決して万全ではないライフラインのもと、多くの被災者の皆さんが避難所での活動を続けざるをえない。仮設住宅もまだ手がかかっておりませんという状況の中で、考えられるのは生活環境の問題に伴う感染症等による健康被害だと思います」
日本赤十字社は13日以降、珠洲市の道の駅に医療救護所を設置するなど避難者の支援を続けます。