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能登半島地震 いま必要な「心のケア」は フラッシュバックや罪悪感、ストレス…医師がアドバイス

能登半島地震の発生から8日経ちました。少しずつ物資も届き始めていますが、ここから心配されるのは「心のケア」です。被災者の方は、災害直後の悲惨な光景を思い出す「フラッシュバック」や「自分は何かができたのではないか」という罪悪感。さらに、避難所のストレスなどで気持ちが落ち込み、長く続くと「うつ状態」を引き起こします。こうした状況を改善するため金沢大学の神経科精神科 菊知教授はこうアドバイスします。

菊知教授:
こういった反応が起きていることを、決して異常だと思わないでほしいんです。これらの悲しみや悲嘆反応、罪悪感。全てが当たり前に起きる正常な反応です。時間の経過の中で、少しずつこういったものが癒えていくんですが、約1カ月間くらいは、こういった気持ちが被災地の皆さんに続くものだと思ってください。そして周りの方も、無理に励ましたりせず、悲しみや苦しみやそういったことがいろいろ表現されたりすることが当たり前だと思って寄り添って頂くのが一番いいと思います

また、医療従事者や自治体の職員の方々など被災者の皆さんを支援する方も休む間もなく働き、要望に応えられず、無気力感にさいなまれることがあります。

一方、テレビをご覧の皆さんについてです。テレビによる災害報道を見続けることにより、被災者の方の痛みや苦しみに共感するあまり、自らの心が疲れてしまう「共感疲労」という状態に陥ってしまう事があります。

こちらについて菊知教授はこうアドバイスします。

菊知教授:
特に、衝撃的な映像を繰り返し見るということは避けられた方がいいですし、(心配なのは)子どもです。特に子どもは、そういった感受性が高く、不安に陥りやすいということがよく言われております。気分転換になるような全然違う番組を見たりとか、そういった時間を一定時間、必ず作られることをお勧めします

菊知教授は一方で、家族を守るために報道番組で生活に関する情報を得ることも大切なため子供がテレビを見るときは、なるべく大人も一緒にいてほしいと話しています。

最後に、これからの日々で心の疲労を少しでも避けるために菊知教授はこう話します。

菊知教授:
日々の生活をなるべく取り戻すようにしましょう。普段から行っている何気ない習慣が皆さんの心の健康を保つために大事なルーティンになっていることが多いですので、こういった時にも普段の生活を守っていきましょう

この震災を乗り切るためには体はもちろん、心の健康を保つことが何より大切です。

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