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「海岸隆起で津波の影響少なくなった側面も」専門家に聞いた能登半島地震の発生原因や今後 強い余震に注意

こちらは国内で過去に最大震度7を記録した地震の一覧です。今回の能登半島地震は、国内では7回目となります。大地震が発生した原因や今後について専門家に聞きました。

金沢大学・平松良浩教授:
今回起こったM7.6の地震というのは、歴史的に見ても、石川県では最大のものだと考えてよいです。珠洲の周辺で2020年12月頃から続いている全ての地震のエネルギー、それを全て足し合わせたものと比較しても、約35倍大きなものなんです。

こう話すのは、地震学が専門の金沢大学・平松教授です。1日から8日午後4時までに発生した 震度1以上の地震は、のべ1214回。震源の範囲は、佐渡から能登半島西部まで最大150kmに及びます。地震が起きた原因を聞きました。

金沢大学・平松良浩教授:
珠洲の群発地震の震源域の日本海沿岸には「海底の活断層」というのがありまして、それが震源のところで動いた断層の影響で、その両隣の断層もつられて動く。おそらく地震を起こしうる端から端までの断層群が一気に動いたという事なのでM7.6の地震になったとみております。

また、今回の地震では、揺れが1往復するのに長い時間がかかる大きな揺れ、「長周期地震動」の階級は最大の「4」でした。

金沢大学・平松良浩教授:
「周期1秒から3秒程度」という強い波が出ているという事が確認されておりまして、特に周期1秒程度の波は木造家屋を倒壊させるような力を持っている。それが非常に強く出たという事で今回広い範囲で多くの家屋の倒壊が生じたと考えております。

さらに、津波の被害も各地で確認されています。東大地震研などのグループは志賀町赤崎漁港で4.2mの津波を確認したと発表しました。一方、上空からの映像では地震で海底が隆起し、輪島市門前町の港が陸になっている姿が確認できます。

金沢大学・平松良浩教授:
能登の外浦の方は、まさにM7.6の地震の時に動いた海底の断層ということもあって 非常に短い時間、1分以内という計算結果もありますけど、短時間で津波が来るということになるんです。一方、外浦の下の方は、断層運動によって海岸が隆起、 これも3、4mぐらい隆起しているところもあるんですけど、その影響で相対的に津波の影響が少なくなったという側面があります。

さらに平松教授は、内浦側の津波を引き起こしたのは佐渡島に近い断層のずれだと          推測します。

金沢大学・平松良浩教授:
津波の一つは富山湾側、内浦の方に回り込んでくる。特に珠洲の方だと飯田湾のところ、これ湾になっていますので波が集中して津波の高さが大きくなりやすいんです。

こうしたことから港が使用不可能となり、海上からの救援活動が困難を極めています。

金沢大学・平松良浩教授:
港が使えれば海から船で救援に行くという事もできるのですが、外浦側は海岸の隆起によって港が使えない状況になってしまった。内浦にかけての港も、今度は津波の来襲によって港湾機能が大きく破壊されて、やはり使えない状況にいると…。

いまだ被害の全容が見えない能登半島地震。気になる今後については…

金沢大学・平松良浩教授:
M7.6の地震を本震の規模として考えますと、後発地震(余震)としては、やはりM7、あるいはM6というものも十分考えられまして、そうすると、場所によっては  震度7、あるいは震度6強という非常に強い揺れというものが再び起こるという可能性はまだあると思います。

未曽有の大災害が県内に深い爪痕を残しています。

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