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アジア人初の快挙「MotherTree」 金沢の動物画家が世界最高峰コンクールで最優秀賞

新緑のブナの巨木と共に、そこに生きる動物が描かれた作品。先日、世界最高峰の動物画国際コンクールで最優秀賞を受賞した作品です。この作品を描いたのは、金沢市の西野健太郎さん。アジア人初の快挙となった作品に込められた思いに迫りました。

繊細なタッチで筆を走らせる西野健太郎さん。金沢市出身の動物画家です。西野さんは2026年9月24日、カナダで行われた動物画国際コンクール「Artists for Conservation Festival 2026」で、486作品の中から最優秀絵画賞(Best in Show)に選ばれました。アジア人のグランプリ受賞は、19年前にコンクールが始まって以来、初めてです。

受賞作品の『MotherTree』は、白山のチブリ尾根に息づくブナの巨木を描いています。新緑の季節、大きく枝葉を伸ばしたブナを見上げると、太陽の光が若葉から透けて明るく森の中を照らしている。そんなイメージが表現されています。

ーー作品名がマザーツリーということで、温かみも感じますが、どんな思いが込められているんですか?
西野さん:
「ブナの木は緑のダムって言われるぐらい、水をたくさん蓄えて、僕たちが飲んでいる水もここから流れてきているぐらい重要な木なので、動物たちも私たちもこの木に生かされて生きているんだな、という表現が伝わるように描いてみました。」
ーー確かに見てみると動物もいるんですよね。ところどころに。
「エゾリス、ムササビ、シマリス、あとフクロウ。4種類一応隠れているんですけど、こういう見つける楽しさもある作品です。」

作品のモチーフとなったチブリ尾根は、白山連峰の一つ、別山につながる登山道で、美しいブナの原生林が広がっています。

西野さん:
「父親が、昔から石川県の自然解説員をしていまして、子供の頃から山に連れて行ってもらうことが多かったので、すごく自然が好きになったんです。」

子供のころよく連れて行ってもらったというチブリ尾根。思い入れの深い風景を今回、モチーフにしました。

先月、金沢市内のデパートで開かれた西野さんの個展。作品を飾る額縁にも西野さんのこだわりが見て取れます。

ーーたくさん木が並んでますが、何に使うんですか?
西野さん:
「これは全部額縁に使う木です。実は僕は絵を描く前に額縁の方を先に作るんです。木の一つ一つの木目が記憶なので、木がどんな動物を見てきたのかをイメージして作品を作っています。」

額縁とする木の色や質感に合わせて、作品の色合いや描く動物を決めているそうです。

今回受賞した作品で使ったのは…。
「これですね。これ全部能登ヒバです」

石川県の木でもある能登ヒバ、またの名をアテ。一昨年の奥能登豪雨で泥をかぶったものを、自ら加工して額縁にしました。

西野さん:
「額縁まで作る画家さんってなかなかいないと思うんですけど、木を使うことでいろいろな形も作れますし、自分で加工することで他にはない作品を作れますので、そこはすごくこだわっています。」

実は西野さん、これまでは動物を大きく描く動物画が中心でした。今回受賞したような風景画は、去年始めたばかりです。

西野さん:
「うちの息子がマーチング(バンド)をやっていまして、背景に絵を飾って演技することがあるんですけど、僕は保護者として絵を担当したんです。それが風景画を描くきっかけでした。」

そんな西野さんの作品で目を引くのは、このふわっとした動物の毛並み。細い筆で一本一本毛を描き、その上からエアブラシで一本一本色を吹き付けることで、生き生きとした動物たちの毛並みを表現しています。

ーー動物たちが仲良さそうに寄り添っている姿がすごく印象的なんですけど、意識されているんですか?」
西野さん:
「やはり動物にも家族を大事にする気持ちとか、仲間を思う気持ちがあると思うので、表情やしぐさから表現したいなと思っています。石川県の風景とか、能登とか白山の美しい風景がたくさんありますので、そういう自然の中で動物がどういう風に生きているのかをまた表現していきたいなと思っています。」

一枚の絵から伝わる家族のぬくもりと、自然を大切にしたいという思い。その思いはキャンバスの中で静かに息づいています。

西野さんが審査員を務めるいしかわ動物園写生コンクール入選作品展の展示が10月17日から12月7日まで行われるのですが、あわせて受賞作品の特別展示も行われるということです。

展示名:「動物園写生コンクール」「動物園フォトコンテスト」入選作品展
場所:いしかわ動物園 動物学習センター
会期:10月17日(土)〜12月7日(月)

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