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熊本地震で多く建設…輪島市南志見地区で県内初の木造仮設住宅100戸が完成 避難者は故郷の過疎化を心配

能登半島地震の発生から、1日で4カ月。住民が集団避難するなどした輪島市の南志見(なじみ)地区で、県内で初めてとなる木造の仮設住宅が完成しました。

記者:
「輪島市南志見地区に熊本モデルの仮設住宅100戸が完成しました」

30日完成した木造の仮設住宅。これは2016年の熊本地震で多く建設された事から熊本モデルと呼ばれるもので、耐久性が高く、原則2年間の入居後も公営住宅などに活用できるのが特徴です。

壁や床には、県産の木材が使われていて間取りは1DKと2DKなど車いす生活にも対応した5つのタイプが用意されました。ただ、被災者が入居するにはまだ2週間はかかるそうです。その理由は…

輪島市担当者アテレコ:
「検査にどれだけ合格するか分からない」「必要な家具や家電は住民ごとに違うためヒヤリングして用意するのに時間を要する」

みなし仮設で暮らしている人と避難所で生活している人で市が提供できる家電や家具が異なるためです。

実際に入居の連絡が来たという今寺四郎(いまでら・しろう)さんは…

今寺四郎(いまでら・しろう)さん:
「(入居は)6月ぐらいからだと思っていたので予定より早く完成したのかなと思います。やっぱり輪島に帰れるのはひとまず安心ですね」

南志見地区から集団避難してきた今寺さん。約3カ月間、避難所生活を送ってきました。

今寺さん:
「これが私の生活スペースです」

これまで2畳分のスペースで暮らしてきました。輪島塗の販売にも関わってきた今寺さん。故郷に戻れるめどはたったものの、心配はつきません。

今寺さん:
「輪島塗も応援してもらって金沢で漆の仕事ができるようにって金沢で仕事ができちゃってる人もいるので、帰ってこられるのかなって。将来的には金沢の人になっちゃうのかなっていう人もいないわけではない。加えてお子さんが金沢の学校に入ったって方もいますし、そうすると親も必然的に金沢に。おじいちゃんとおばあちゃんだけが仮設住宅に残るみたいなケースもあるかも」

県には、避難者を故郷に戻すだけではなく、過疎を食い止める次なる一手が求められます。

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