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半数近くの家倒壊し2人死亡…輪島市門前町の高根尾地区で小学生が“希望の田植え” 子供達の元気な声響く

輪島市では30日恒例の小学生による田植えが行われました。地震による被害が大きかったものの、子どもたちのためにと住民が集まり、田植えにこぎ着けました。

輪島市門前町にある高根尾(たかねお)地区。水田が広がる静かな町に、30日、子どもたちの元気な声が響きました。地元の小学生による田植え体験です。

この地区で毎年行われきた恒例行事でしたが、今年はちょっと趣が違います。

農家:
「田んぼなんか今年はできないかと思っていたけど楽しいですね」「楽しいね、うちは傾いて田んぼにならないかもしれない」「3日水入れても田んぼに水が溜まらない」

この地区は半数近くの住宅が倒壊、2人が死亡しました。田んぼも傾き今年の田植えは断念しようかと話していたそうです。それでも…

たかねをクラブ代表 中橋政久さん:
「今回、何も出来ないと言う状態では地域が疲弊してしまう」「なんとかみんなでがんばって田んぼを始めようじゃないかと」

例年より5日遅れになったものの、仮設住宅や避難所などから15人が駆けつけ30日の田植えにこぎ着けました。

参加した子ども:
「地震が起きていろいろなことができなくなったり行事が減ったけど田植えなどをして、みんなで楽しみたい」「みんな頑張っているから美味しいお米になったら良いなと思います」

この田んぼでは、9月上旬に子どもたちで稲刈りを行うことにしています。

一方、今回の地震で被害を受けた水田は…

瀬法寺公和さん:
「この田んぼがへっこんでる」「ここの田んぼは、砂地ぽく地盤沈下のような感じ田んぼの面が下がった感じになっててここは今年は水稲が作れない。修復作業が終わってからじゃないと田んぼとして使えないかなと」

珠洲市岩坂町(いわさかまち)にある水田です。瀬法寺公和(せほうじきみかず)さんは、この地区の水田約15ヘクタールでコシヒカリなど8種類の米を育ててきました。地震の影響で全体の約4割で田植えができない状況だといいます。それでも…

瀬法寺さん:
「今はあらおこしと言って一度トラクターで耕した状態で次の段階で水がくれば水を入れて耕すという段階ですけど通水するのをまってる」

水田に水を引くパイプの修理が終われば、今年の田植えを行う見込みがたちました。

瀬法寺さん:
「自分ではできない事が少しずつ整ってきてはいるのでやれそうだなというところで自分も準備しようかなと思っています」

再開の見込みがたったことで例年の1週間遅れで苗も育て始めました。

瀬法寺さん:
「今年は最初田植えできるか不安だったんですけどいつも通りの苗の光景をみることができて嬉しいですね」

県内では能登半島地震で農地では1455か所、農業用施設など4794か所で被害が確認されていて、全体の6割程度しか田植えができない状況だということです。

瀬法寺さん:
「本来なら田植え近づいているので田んぼに水が張ってあってトラクターがあちこちで動いたりしてるくらいの風景」「農地なので1回作付けをしないと2、3年たつとちっちゃな木がはえたりとか」

向山アナ:
「今年やるかやらないかが大きい?」

瀬法寺さん:
「踏ん張って続けていけるかどうかですね、今年は」

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