石川テレビ

 

第516回石川テレビ放送番組審議会 令和4年7月12日(火)

   ※新型コロナウイルス感染拡大防止、3密を回避するため、会議室での出席と
Microsoft Teamsを利用したWebでの出席を併用して開催

【出席委員】

委 員 長 岡 能久  
副委員長 前田 昌彦
委   員 谷内江 潤子 岩木 弘勝
北 篤司 松田 若子
宮下 智弘 谷口 陽子
北尾 美帆  

以上9名(うち2名はレポート提出)

1、審議番組(合評)

石川テレビドキュメンタリー「日本国男村」
  令和4年5月28日(土) 午後1時55分〜3時30分 放送

一年前の「裸のムラ」と「日本国男村」は切り口が違う。県政の男村から見た視点のような気がした。イスラム教徒の松井さん家族は女性が主軸、この二つが繋がる接点が見つからなかった。ナレーションも解説もなく、映像に訴える力がある。考えながら見た重みのある番組だ。

ムラ社会の県庁で忖度や同調圧力が見られる様子は普段の報道では見られない。ムラ社会が生み出す偏見や差別を考えさせられる内容だった。
一つ一つのシーンが何かを問いかけているように感じた。議場で女性職員が水差しのコップを丁寧に拭くシーンにどういう意図があったのか。松井さん家族に放送後、何か影響はなかったのか気になった。

重いテーマで言いづらいテーマに真摯に向き合って丁寧に伝えようとしていた意図は良かった。この番組がジェンダーの話なのかイデオロギーの話なのか。イスラムの話と県政の話の2つが出てきて噛み合わなかった。チャレンジングでメッセージ性のある番組。
全体的に分かり易く編集されていた。番組の冒頭、谷本知事が登庁するシーンと最後に馳知事が初登庁するシーンは印象的。イスラムのヒクマさんが国籍をいくら変えても外国人であることに変わりはないという言葉は印象的だった。
前作に続いて一部重なるシーンもあったが、コロナ禍での知事の発言や知事選の過去の映像が上手く使われ、より深くテーマが追求されていて理解しやすかった。イスラム教徒の家族のシーンもムラ社会、男社会の滑稽さを浮かびあがらせていて効果的だった。全体として心に残る作品。タイトルも良かった。この作品は自分たちに突き付けられている問題ではないか。
番組のタイトルが大変面白い。県政の長期政権による過剰なまでの配慮は滑稽にも見えた。イスラムのヒグマさんが国籍を変えても顔で判断されるという言葉は差別社会の根深さを感じさせた。谷本知事がセンチュリーで登庁するシーンで番組が始まり馳知事がセンチュリーで終わるシーンは同じことが繰り返される暗示かなと思った。お笑い番組が多い昨今ピリッとした作品を放送することもマスメディアの責務ではないか。賞賛に値する番組だ。
映像は大変素晴らしかった。女性職員が水差しを拭くシーンは谷本知事が「男村の長」であることを象徴していた。番組後半に森喜朗さんが登場して役者がそろうのだと思った。森さんは「男村」の長の中の長ですから。イスラム教徒の松井さんとその家族が度々登場するが、少し谷本知事と馳知事のシーンと噛み合わない気もする。
取材対象の軌跡を丁寧に捉えているようで実は取材者の主観によって編集されているようだ。取材に抵抗を感じていると推察されるのは、前知事とイスラム教徒の次女で嫌で仕方がないという雰囲気があった。視聴者とは一期一会の場だと思って観る人の心を掴むような番組を制作して欲しい。

2、訂正・取り消し放送について

事務局より令和4年6月1日〜6月30日までの自社制作番組放送の中で、上記に該当した番組はなかった旨、報告した。


3、番組に関する問い合わせ、苦情など
令和4年6月1日〜6月30日
までに編成部に寄せられた意見

 ▽令和4年6月お問い合わせ
電話 7件
メール 27件
はがき・その他 0通

「マンスリーNote」放送 令和4年7月31日(日) 午前11時45分〜11時50分(字幕放送)
            再放送 令和4年8月1日(月) 深夜2時43分〜2時47分(字幕放送)

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