石川テレビ

 

第493回 石川テレビ放送番組審議会 令和2年4月14日(火)

※新型コロナウイルス感染拡大の影響により書面で開催

【出席委員(リポート提出)】

委 員 長 岡 能久  
副委員長 前田 昌彦
委   員 毎田 健治 谷内江潤子
岩木 弘勝 北  篤司
松田 若子 宮本 陽子
金光 秀和 北尾 美帆
以上10名
1、審議番組(合評)

石川テレビ放送開局50周年報道特別番組
 「森喜朗 この国とふるさとへの“伝言”」
令和2年3月22日(日) 午後4時00分〜5時25分 放送

人間・森喜朗が丁寧に描かれて、なぜ政治家から愛されるのか、その理由の一端が理解できた。と同時に、日本の政界がどういうことでどのように動くのかを垣間見ることができたのは面白かった。
インタビュアーもあまり誘導も介入もせず、大変聞きやすかった。
森氏への印象は、今までは自己中心的な発言が多く感じられ、決して好印象ではなかったが、生々しい当事者としての裏話を盛りだくさん聞き出したインタビュアー、ディレクターの手腕に敬意を表する。
普段どれだけ、日常的に見聞きする報道で物事を判断しているのか、ということを考えさせられたし、私たちが受け取る情報はあくまでも一部であるという前提のもと、情報を捉えていく必要性を感じた。
政治家としての根底に父の存在があったことを、自身の言葉で語られたことに心動かされた。
「反骨精神、反主流」というキーワードが繰り返しご本人の口から出たのが印象的だった。
「エネルギーは、こすりあわないと出てこない」の言葉に強い思いをした。
森氏の「感謝 感謝」という言葉で締めくくられていたのは良かった。
冒頭部分はラグビー世界大会の映像だったが、政治家としての映像の方が、タイトルと番組の中身を的確に表すためには良かったのではないだろうか。
政治家・森としての検証はもう少しあっても良かった。例えば、彼が総理大臣時代にどのような政策を行ったのか、それはどのように評価できるのかを検討するような視点もあれば、さらに番組としての価値が高まったと思う。
政治家としての活動には、マスコミでも取り上げられているように功と罪、光と闇の部分があると思うが、今回は、一方的に功績の部分、光の部分だけを語られていたことに多少の違和感を覚えた。
放送の中で、自分で実績を語ることより、周りからの声を少し取り上げられたら良かったのではと思った。「ロシアとの関係など確かにそうだ、この方の功績かもしれない」ということもあるかも知れないが、自分で語ることで政治家独自の嫌らしさを感じた。
森氏が「嬉しさもあるし、今一つ、悔しさがある」と。「悔しさ」という言葉が気になり、「なぜ?」「何に対して?」、そのあと、その点については触れられず、モヤモヤ感が残った。
インタビューの一部分に「マスコミがそのようにした」という過去の出来事に対する森氏本人の述懐が気になった。報道は視点に偏りがなく公平であるかどうかは大事で、社会に大きく影響を及ぼしかねない。過去には不十分な時代があったのか。現在はどうなのか。
この番組が放送された3月22日には、すでに新型コロナウイルス蔓延によって、東京オリンピックの開催が疑問視され始めていた。いつ収録されたものであるかを明記しておいた方が良かった。
この番組で本当に伝えたかったことは何か、少しぼやけていたのではないか。何もかも伝えようとしたことで、総花的となり、どれも中途半端になったように感じた。本当に意図するところは何だったのか。
「ふるさとへの伝言」とは「あれもこれも自分がやった」という感じにしか受け止められなかった。郷土愛の強い方だとわかっているだけに、もう少し良い取り上げ方ができなかったか。

2、訂正・取り消し放送について
事務局より令和2年3月1日〜3月31日までの自社制作番組放送の中で上記に該当した番組はなかった旨、報告した。

3、番組に関する問い合わせ、苦情など
 令和2年3月1日〜3月31日までに編成部に寄せられた意見
 ▽令和2年3月お問い合わせ
電話 32件
メール 135件
はがき・その他 2通

「マンスリーNote」放送 令和2年4月26日(日)午前11時45分〜11時50分(字幕放送)
            再放送 令和2年4月27日(月)深夜1時58分〜2時02分(字幕放送)

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