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ストーリーテラー竹中直人の重々しい語りのあとに、いきなり芸人TKOが登場して和歌山県金山寺みそをリポートした。そのギャップに「あれ、あれ、どうなる? 大丈夫か」と戸惑った。しかし、愉快な老舗商店主の応対、会話にも助けられ全体に楽しく見ることができた。
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「食」「しきたり」「匠の技」の3つのジャンルに分かれる5話のオムニバス。それぞれのリポーターがまじめに役割を果たし、残して行きたい日本の伝統文化を伝えた。
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タイトルの「お墨付き!にっぽん遺産」はやや、オーバーな表現ではないか。誰が「お墨付き」を視聴者に与えるのか。鹿児島県甑(こしき)島の「トシドン」によく似た行事は秋田県の「なまはげ」や、石川県の「あまめはぎ」などがある。「トシドン」のルーツを調べるなど、もっと「突っ込み」「深み」があったらよかった。
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「忠臣蔵」「勧進帳」などみんなが知っている話でも、見せ所をうまく表現できていれば人は納得するもの。その点、「トシドン」は、子供を地域社会全体で暖かく包み育てていこうとする姿が描写されよかった。中学生と、幼児、両親、おじいちゃん、おばあちゃんら登場する人みんなの表情がよく、家族のすばらしさに泣けてきた。
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故障した古時計を半年もかけて修理、新たな命をよみがえらせる広島県の職人。安価な時計があふれる中、駆逐される文化を孤軍奮闘して守る人の一徹さがいい。後継者はいるのだろうか。ぜひ残していただきたい技だ。また、思い出の家の古材を生かしたウクレレ作りの芸術家の紹介もよかった。
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