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日中関係がギクシャクしているとき、あえてこの問題を取り上げられたのだと思う。扱いを一つ間違えると拒否反応が起こることもあったろうが、淡々と事実を報道し、マスコミとしての責務を果たしている。民主主義の表れだと思う。
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角三さんが一人の人間として、自分の住む土地で起きたかつての事件を知り、中国人との信頼を取り戻したい、との気持ちからの行動がきちんと描かれていた。角三さん以外の人が、この問題をどう見ているかという反応は番組から知ることはできなかったが、一人一人が答えを出すべき問題を提起した番組だった。だから気が重く、答えに窮する。
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日本のテレビは軽くてバカ番組が多いと思っていたが、そんな思いを撤回しなくてはいけない良い番組だった。私は何回かミャンマーに行っているが、まさに戦後半世紀以上鎖国状態と言ってもいいくらいだ。かつての蛮行がいまだに続いている。若い人や子供たちに事実を伝え、問題を投げかける番組がもっとあればその国は良くなると思う。
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この番組に敬意を表したい。新聞でも突っ込んで取材しないといけないテーマだ。角三さんを動かしたのはイデオロギーではなく、人間としての自然な感情であり、歴史を直視しよう、信頼を得たい、との強い思いが伝わってきた。七尾に連行された中国人が文化大革命のとき、中国人から“日本の協力者だ”と非難されたとは知らなかった。
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戦争や平和の問題を、身近な問題として考える題材となった良い番組だ。ドイツは戦争責任については、はっきりした言い方をしている。“戦争はドイツの名において、当時のナチスが行った蛮行だ。それを許したのはわれわれだが、直接にはナチスである”と。日中間では“賠償請求を放棄する”との条約があるが、国民一人一人の感情はなかなか収まらないのかもしれない。角三さんの再三の訪中で、険しかった中国人の表情に変化が見られたのはせめても、という思いだ。
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