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移住後に地震が発生し帰らぬ人に…輪島のベーカリー店主が亡き友人に捧げるパン「彼が生きた証し、思いを」

あの日から4カ月がたった輪島市の朝市通り。

地震が発生した午後4時10分にあわせ、犠牲者に祈りを捧げる人の姿がありました。

北海道から来たボランティアの女性:
「もうだいぶ復興が進んでいるのかなって、周りの人たちもそう思っていたんですけど…。別世界に来たような衝撃を受けました。幸せな日々が早く戻って来られるように応援したいと思っています。」

その輪島市で人気のベーカリー『ラポール・デュ・パン』。震度7の激しい揺れで店内の物が倒れたり、壊れたりしましたが、建物や厨房の機器に大きな被害はなく、2月中旬に営業を再開しました。

店主の鹿島さんは3月、地震で犠牲になった友人を悼んで新しいパンを作りました。

店主 鹿島芳朗さん:
「パンを通じて亡くなった翔太さんが生きた証し、思いをつなぐことができたらいいなというところがスタートだった」

友人の名は、末藤翔太(すえふじ しょうた)さん40歳。地震で倒壊した家屋の下敷きとなり帰らぬ人となりました。

末藤さんは熊本県熊本市出身で、妻と一緒に2年前に輪島市に移住。地域おこし協力隊の一員として地元の高校生への学習支援を行っていました。

鹿島さん:
「地域の高校生に、夢を持って地元で仕事をする、それに向かっていく希望というものを翔太さんなりに生徒に伝えていた」

新作のパンは、末藤さんが好きだったパンをベースにクルミやレーズンなどを入れ、リング状に。フランス語で「つながり」や「縁」を意味し、店の名前にも入っている『ラポール』と名付けました。

鹿島さん:
「毎日作り続けるパンなので、作るたびに翔太さんのことを思いますし、いろんな輪が広がっていけばいいなという願いを込めて作っています」

地震で犠牲となった友人の思いをパンを通して伝え続けます。

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