石川テレビ

 

第475回 石川テレビ放送番組審議会 平成30年6月12日(火)

【出席委員】

委 員 長 岡 能久  
副 委 員 長 菅沼 堅吾
委   員 毎田 健治 谷内江 潤子
倉 ひとみ 岩木 弘勝
橋 智裕 金光 秀和
   
以上8名
1、審議番組(合評)
石川テレビ創立50周年記念番組「金沢幻想物語 天才泉鏡花が愛した女(ひと)」
平成30年5月18日(金)午後7時00分〜7時57分 放送
幻想的な泉鏡花の世界とそれを育んだ金沢の風土、魅力を伝えようというしっかりとしたコンセプトで力の入った素晴らしい番組だった。
改めて泉鏡花を読んでみたい、泉鏡花記念館へ行ってみたいと思った。
4Kならではのというか、幻想的な、暗い中にも、ものすごく細かいところまで美しく描き出されていた。
色々なことを入れ過ぎて、展開が速いかなと思った。
研ぎ澄まして鏡花だけの世界だけを見せた方が良かった。
現在と過去を交錯させたり、場面を変えるための道具として、望遠鏡と手まりを使ったのだと思うが、望遠鏡は少々直接的で安っぽく感じた。
壇蜜さんというキャスティングはとても良かった。
お座敷の場面での篠井英介の金沢弁がぎこちなかった。
芸妓桃太郎さんの紹介は、泉鏡花の世界から逸れてしまい、余計だなと感じた。
お座敷での篠井さんにしゃべらせて他の人が黙って聞くという場面では、「聞く」という演技力が足りなかったのではないかと思った。
泉鏡花が大変な潔癖症であるとか、火傷をするくらいの熱燗が好きだったというエピソードが聞けて良かった。
若い世代では川端 康成、三島 由紀夫、中島 敦について、こういう作家だという紹介がないと名前と文章だけではついていけない部分があったのではないか。
泉鏡花記念館学芸員の穴倉さんの紹介のナレーションで「鏡花のこんな表現にノックアウトされました」とあり、鏡花の世界の表現として「ノックアウト」という言葉が許されるのかなと違和感を覚えた。
「血はまだ溢れる、音なき雪のやうに、ぽたぽたと鳴って留まぬ」は、相反する「音なき」と「ぽたぽたと鳴って」という微妙な鏡花の世界を、朗読と穴倉さんの説明を挟んでもう一度音のないところで文章を見せ、鏡花の世界はこういう世界なのかなと納得出来た良い場面だった。
言霊ということに対して、私たちも本当に言葉を大切にしなければならないと思った。
演出家の高田さんが「現代に通じるものがある」と言っていたが、どの辺が現代と通じているのか説明して欲しかった。
行善寺で壇蜜さんがお参りしていたが、畳の上で手を合わせて立っている姿に引っ掛かかった、座ってするものではないかなと。
「美しい言葉で女性を描き出した天才泉鏡花。・・・」と始まる最後のナレーションはきれいでわかりやすい表現であるし、素晴らしい文章だと感じた。

2、訂正・取り消し放送について
事務局より平成30年5月1日〜5月31日までの自社制作番組放送の中で上記に該当した番組はなかった旨、報告した。

3、番組に関する問い合わせ、苦情など
 (平成30年5月1日〜5月31日までに編成部に寄せられた意見)
 ▽平成30年5月お問い合わせ
電話 51件
メール 40件
はがき・その他 6通

「マンスリーNote」放送 平成30年6月24日(日)午前11時45分〜11時50分(字幕放送)
            再放送 平成30年6月25日(月)深夜2時43分〜2時48分 (字幕放送)

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