第五回 室生犀星
   詩集『抒情小曲集』より「小景異情」
  6月25日月曜日放送
「抒情小曲集」は大正7年、犀星29歳の時に刊行。
生涯20数冊もの詩集を世に送り出した詩人・犀星にとって、初期詩篇を収めた記念碑的な詩集である。
  

故郷・金沢の雨宝院、犀川、兼六園、金石海浜、また自ら暗黒時代と称する東京での感懐を哀傷深くうたいあげ、有名な「ふるさとは遠きにありて思ふもの」や、犀川中流の犀星碑にも刻まれた「杏よ花着け地ぞ早やに輝け」の詩が掲載されている。


解説 : 笠森 勇(かさもり いさむ)
駒澤大学卒業。金沢学院短期大学教授。
室生犀星の研究をしながら、その交友関係を探るなかで、萩原朔太郎との不思議な友情を『詩の華―室生犀星と萩原朔太郎』(平成2年)にまとめた。
その後、中野重治の犀星に対する敬愛を考察して『蟹シャボテンの花―中野重治と室生犀星』(平成18年)を刊行。他に著書は『犀星のいる風景』(平成9年)、『表棹影作品集』(平成15年)など。
現在、犀星周辺の詩人や作家について研究中。
  
金沢三文豪の世界 第五回 〜犀星を読む〜詩「小景異情」     朗読担当:大橋 のり子
 

「小景異情」その一からその六のうち、その二は、「ふるさとは遠きにありて思ふもの・・・」です。
逆境の中で逞しく生き抜き、東京で作家として詩人として夢を叶えた犀星のふるさと金沢への複雑な思いが綴られています。
 
あまりにも有名なこの詩に私が初めて出会ったのは、中学校の教科書でした。

  
それからウン十年。今回、改めて照明を仕込んだスタジオセットで朗読した時、途中からカメラの存在も忘れる程、胸に迫るものがありました。
 
犀星の思いを想像しながら、読んだ六編の詩には、各々、犀星の研ぎ澄まされた感性が感じられます。
犀星の詩の力と韻律の美しさに、私はすっかり犀星ファンになってしまいました。

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