故郷・金沢の雨宝院、犀川、兼六園、金石海浜、また自ら暗黒時代と称する東京での感懐を哀傷深くうたいあげ、有名な「ふるさとは遠きにありて思ふもの」や、犀川中流の犀星碑にも刻まれた「杏よ花着け地ぞ早やに輝け」の詩が掲載されている。
「小景異情」その一からその六のうち、その二は、「ふるさとは遠きにありて思ふもの・・・」です。 逆境の中で逞しく生き抜き、東京で作家として詩人として夢を叶えた犀星のふるさと金沢への複雑な思いが綴られています。 あまりにも有名なこの詩に私が初めて出会ったのは、中学校の教科書でした。
それからウン十年。今回、改めて照明を仕込んだスタジオセットで朗読した時、途中からカメラの存在も忘れる程、胸に迫るものがありました。 犀星の思いを想像しながら、読んだ六編の詩には、各々、犀星の研ぎ澄まされた感性が感じられます。 犀星の詩の力と韻律の美しさに、私はすっかり犀星ファンになってしまいました。