石川テレビ

 
日本三名山の一つ白山は、今年開山1300年を迎えた。多くの人々が、その恩恵に浴し、感謝しながら暮らしている。

番組は、マタギ(猟師)の宿を女将として切り盛りする女性を通して、ダイナミックな自然の営みと四季の循環によってもたらされる山の恵みの豊かさを紹介する。
また、山里に語り継がれた言い伝えを途絶えさせたくないと、絵本の形で次世代に伝える活動を追い、山に生かされているという女性の心のうちを描く。

<内容>
古くは白山登山の玄関口として栄えた白山市尾添は、狩猟を生業にするマタギが多い集落で、現在、58世帯、約130人が暮らしている。
尾添集落にはホテルや民宿などが12軒あり、そのうちの一つ「岩間山荘」は、クマやイノシシなどを使ったマタギの料理が好評を得ている。
同じ白山市内ながら田畑が多い集落に生まれた北村祐子さん(55)は、21歳で尾添へ嫁ぎ、「岩間山荘」の女将となった。
しかし、客は満足してくれているか、尾添の集落できちんと役割を果たしているかなど、悩みが尽きなかった。
救いは、山に入ること、夫の秀紀さんが何かにつけて山へ連れ出してくれたという。

やがて山里の暮らしに慣れた北村さんは、「いざとなれば山が助けてくれる」と確信している。
北村さんは、亡くなった義父から、修行のための古道、加賀禅定道に因んだ言い伝えを数多く聞かされた。

山とそこに住む人たちの教えを伝える20ほどの話が、頭の中にある。
それらを途絶えさせたくないという北村さんの強い思いが絵本づくりに結びついた。
自分を救い、豊かな恵みを受ける山への感謝を込めた5冊目の絵本が、2017年春にできあがった。
「山に生かされている」
語る北村さんは、白山の豊かさと大きな力に包み込まれ、山里ならではの知恵とルールに従って暮らしている。

<再放送>2017年6月23日(金)午後3時53分〜午後4時50分

 (C) Ishikawa TV.
このホームページに掲載されている文書・映像・音声・写真等の著作権は石川テレビに帰属します。